Brother (ページ43)

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櫻井side

診察室が開いた途端に泣き出す双子ちゃん。小児科だとこんなことは珍しくない。けどこの双子ちゃんは2人で全力を出すから、病院中に響くんじゃないかと思う。

そして、苦笑いの兄たち。この兄弟はずっと俺が見てきた、長男の優太から双子ちゃんまで全員。

「うん、風邪が悪化しちゃったのかな？点滴打って帰ろうか」

優太「はい、ありがとうございます」

そして入ってきた時から優太の顔色が悪い。医者の目、なめんなよ～。

「優太、ちょっと残って」

優太「あ、はい」

勇太「先行っとくね」

ガラガラ

「はい優太熱測って」

優太「え？」

「体調悪いんだろ？顔色悪い」

優太「すみません…」

ﾋﾟﾋﾟﾋﾟ

37.9℃ね。双子ちゃん程じゃないけど熱あるわ。

「今回は保健書もないし薬を処方出来ないから、ちゃんと市販の薬飲んで寝ること！分かった？」

優太「でも」

「でもじゃない！双子ちゃんは点滴打ってるしあとは下がるだけ、看病は弟たちに任せる！」

優太「はい…」

優太は長男だし自分がしっかりしなきゃ！って思ってるんだと思う。

そんなこと思わなくていいのに、優太も人間なんだから体調崩すときもあるでしょ。こういう時に甘えればいいんだよ。

「じゃ！双子ちゃんのところ行っておいで」

優太「ありがとうございます」

はぁ～嫌われない様に頑張らないとな～。