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45話 ページ3








しばらく眺めていると突然空気が変わった





マイルがアリス様を見つめる度に嫉妬とは違うもやっとした空気が渦巻くようになった





甘酸っぱくも温かみのあるこの空気…





きっとマイルはアリス様に恋をしたのだ




『小柄で小さくも儚い彼女だったが、毒のような強さも持っていた。まさに俺達の天敵、鈴蘭のように綺麗な彼女に恋をしたんだ。』




マイルの心の声が聞こえる





『じゃあなんでぇ、アリス様に酷い差別をしたのぉ…?』




あの時のことを思い出すアリス様の顔は苦痛に歪む辛そうな顔だった




あんな顔、出来ればさせたくない




『許せなかったんだよ…下級魔物に惚れた自分がっ…あの時の罪は絶対に許されないことはわかってる。わがままだろうか…どうか許してくれ…』




可哀想に、全てはロイスの手で踊らされていただけだと…




到底許すことは出来ないがこれくらいならアリス様も許してくれるだろうか




私がアリス様の配下について変化したことが3つある




一つ目は前より髪が伸びたこと



二つ目は前から付けてもらっていた名に加え二つ名を付けてもらったこと




二つ名は『ユメクイ』




最後に三つ目は、新しいユニークスキルが手に入ったこと




『私の二つ名は『ユメクイ』。ロイスが吸血者なら私は『夢喰い者』。貴方ごと貴方のユメ…罪を食べてあげるわ』





『夢喰い者』




吸血者.捕食者.解析者に並ぶ能力を持ち夢を食べることで能力を得る




私の理想郷とアリス様の幻想者を統合して出来たものだ。




『ほん…とうに…?』




理想郷の効果が効いたのか声がかすれて聞こえる



あとは彼ごと喰えば終わりだ。



『ええ、アリス様に伝えておくわぁ。『私が喰べた』ってね』



『はははっ、面白い子猫だなぁ。ありがとう、強欲なバクさん…』









彼の中から戻り猫の姿になる




魔素を大量に使ったせいか眠気が凄い





「戦いは終わったわぁ…安らかに眠りなさい…。」




マイルの姿はこの場には見当たらなかった







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作者名:藍紫^ ^ | 作成日時:2019年12月17日 13時

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