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「なんの話をするんだ?」




彼方先輩は、
リビングの椅子に座って
俺の方を見た。







「俺、家帰ってきたとき鍵閉めたんですよ」





「今日は忘れてたとかじゃなくてか?」




すぐに言いたいことがわかってもらえた。




「俺は忘れませんから」






そう言うと、
そこ以外は抜けているのに、
鍵だけは真面目だよな。って言われた。



少し傷ついた。
俺は抜けてるなんて思ってない。




「それから、俺…あいつに家教えたことないです」





「……あいつって、真冬のこと?」



「そうです、なんで俺の家に来れたんですか」




俺は1度も相川真冬に家なんて教えたことない。


成瀬先輩くらいだ。教えたのは。




まあ、彼方先輩が成瀬先輩と仲良いことくらい知ってる。

きっと教えてもらったのだろう





「佐藤さんが開けたとか?」



彼方先輩(このひと)は、
たぶん相川真冬が悪いだなんて思いたくないのだろう





「Aちゃんは、俺が鎖に繋いでました。」


そう返すと、ため息をついて





「疑ってるのか?真冬のこと」



と言った。









だって、この家の鍵を開けたのは


相川真冬だと思っているから。






「俺は、全部あいつがやったって思ってますよ」






そもそも、俺は
ネクタイ締めるのは下手くそじゃない




下手くそのフリをするのは
Aちゃんが俺のことを相川真冬と呼んだから


ただ、それだけの理由だ。








あいつが、どういうやつかってことは
少しは理解しようとしていた。

Aちゃんがあいつばかり見る理由を知りたかったから




その中に、毎朝やっているネクタイを締め直すという話。




興味があったから、真似をした。


相川君って言いながら、嬉しそうに俺のネクタイに触れる彼女の顔。



その奥で、じっと俺を見つめる本物の相川真冬の視線は

2日目から
嫉妬以外の何者でもなかったように感じる


俺はそれに気づきながら
ずっと相川真冬のフリをし続けた。

口調もなるべく
相川真冬に近づけて




彼女が俺を相川君と呼ぶたびに


その声で、自分のものにしたくなって


気付いたら、家に閉じ込めてた。






あの目は、俺を可笑しくさせる。

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ちょこ - Rmdさん» ありがとうがざいます!ちょうどいい甘さでよかったです!ルスさんエンドも欲しい。。。 (2020年10月30日 0時) (レス) id: 5ad0b4ef6a (このIDを非表示/違反報告)
Rmd(プロフ) - めろさん» 何度もリピートして、読んでいただきありがとうございました。内容を新しく、更新しましたが、前回の内容はどこかで生かせるようにしていきたいと思っています。コメントありがとうございます(^^) (2020年2月26日 0時) (レス) id: 4a935f5230 (このIDを非表示/違反報告)
Rmd(プロフ) - ちょこさん» 更新が遅くなってしまい申し訳ないです!全部書き直して、更新しました。続きを楽しみにしていただいてたストーリーはまたどこかで使って書いていきます!! (2020年2月26日 0時) (レス) id: 4a935f5230 (このIDを非表示/違反報告)
めろ(プロフ) - とても好きな作品です!何度もリピートしてます更新とても楽しみにしてますね! (2019年12月19日 16時) (レス) id: 056eaf4126 (このIDを非表示/違反報告)
ちょこ - 更新が止まってます!戻ってきてください!続き楽しみに待ってます!(´;ω;`) (2019年12月12日 22時) (レス) id: 1b1d47c664 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:Rmd | 作成日時:2019年10月18日 23時

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