40話 ページ43
武装探偵社にて。
「ほら推歩、あなたの指定席は此方ですよ」
またベビーベッドから逃走した愛息子を抱き上げる小百合。
その光景を、
与謝野達は微笑ましそうに見ていた。
「ふふ、はじめての子育てどうだい?」
与謝野は聞いた。
小百合は楽しそうに言う。
「大変ですが、楽しいことの方が多いです。
最近はメゾン・ド・ポリスの方々も
事件で忙しいようですし、会えないのが残念ですけれど」
「出産直後は大わらわだったからねえ」
息子をあやしながら椅子に戻り、
あの日の記憶を思い出す。
「大変でしたね………」
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家にて。
「あ、あの、乱歩さん」
駄菓子を食べていた乱歩は、
其れを邪魔されたので不機嫌そうに
「なに?」と答えた。
「あの、
私、
妊娠しました」
乱歩は駄菓子を吹いた。
バン、と机を叩き、
小百合に詰め寄る。
「え!?それ発覚いつ?」
「今日の朝です。
なんか体調悪いなあと思って病院に行ったら、
[おめでとうございます、妊娠です]
と言われて…………」
乱歩は無言で小百合に近づき、頭を撫でた。
「そっかあ………こゆももうすぐお母さんか」
「ふふ、乱歩さんはお父さんですね」
「なんか不思議な気分。」
しゃがんで小百合のお腹を摩りながら、乱歩は呟いた。
「此処から僕たちの赤ちゃんが産まれてくるんだ………」
「…………幸せな未来を歩ませてあげたいですね」
自分達が通ってきた、
凍えるような寒さの道。
この子には、そんな想いはさせたくない。
「子育て……….頑張りましょうね」
「………うん」
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水無月カエデ(プロフ) - ご愛読ありがとうございました。 (2019年8月18日 21時) (レス) id: d17efe557e (このIDを非表示/違反報告)
水無月カエデ - フラグ立ちましたね……… (2019年7月8日 22時) (レス) id: 0e0abeeec8 (このIDを非表示/違反報告)
ふーゆず(プロフ) - 種田さん!?ええええええええええええええええええええ!? (2019年7月6日 5時) (レス) id: 63500bc6f8 (このIDを非表示/違反報告)
大阪 - 確かに!! (2019年6月6日 22時) (レス) id: 513b666ef4 (このIDを非表示/違反報告)
水無月カエデ - ドラマの続編を切実に願う(真顔) (2019年5月9日 19時) (レス) id: 0e0abeeec8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:水無月カエデ | 作成日時:2019年2月19日 20時