メゾン・ド・ポリスの六人目【文スト】 (ページ24)

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２１話ページ24

「ふーん…………

大変だったんだね。」

一通り乱歩は話を聞いたが、零した感想はそれだけだった。

「………申し訳ございません。仮にも主人である貴方に、

このような身の上話を……」

「あー、いいのいいの。だってこゆちゃん、だぁれもその話知らないもの。

だから、この話を知っているのは僕だけ！っていう優越感に浸ってるとこだからさ、邪魔しないで！」

「は、はぁ………」

ただね、と乱歩は続ける。

「君さー、それで満足してるの？」

「………え？」

「いやー、思ったんだけどね？

結局君は元親の希望を満たすために生きさせられてたみたいなもんじゃない。

そんときに受けた仕打ちを清算できる程の給料(愛)を、あの人達に未だ君は貰いきってないよ。」

そんな、と小百合は反論した。

「でも、こんなにご飯も貰って、服も着せて貰って、これ以上何かを望むのは、

一個人として迷惑極まりなのではｎ「ないの！」

「あのねー、知ってる？

その時位の子供ってねェ、もっと我が儘なの！

この前君のお母さんに聞いてみたらねー、

《上二人と違って手がかからなさ過ぎて怖い》

って云ってたんだよ！

こうも云ってた。

《もう少し我が儘云っても良かったと思うんだけど……》

君は何でもかんでも我慢し過ぎなんだよ。

仕事もさぁ、完璧気取ってるけど客観的に見たらただの独りよがりだかんね！」

小百合は目をぱちくりさせた。

乱歩が、こんな事を云うのは初めてだからだ。

同時に、こんな事を云われたのは初めてだからだ。

乱歩は、ぐわしっと肩を掴んだ。

「これ上司命令！

僕と一緒に、一週間遊びまくること！」