IN 5 ページ5
side srr
そ「で‥‥‥‥彼奴誰?」
涼しい部屋に移動して落ち着いたのか少しは顔の火照りが収まった様子のAに問い掛ける。
そもそも此処は深い森の奥。普通、俺達以外の誰かが入ってくるなんてことはまず有り得ない。
‥‥‥‥と思っていた。だが現にあの患者は医務室で点滴を打たれながら眠っている。
こんな森に来るなんて、世の中には物好きな奴も居るものだ。
『いや、私も誰なのかは知らない‥‥‥けど散歩してたら今にも倒れそうだったから連れてきた。』
そ「じゃあ迷子ってとこかな‥‥とにかく本人に聞かねえ限りは何も分かんないし、今はAも天月もゆっくり休んどけ。」
『そうする、ありがとうそらるさん。』
そ「ん、どういたしまして。大したことしてねえけどな」
軽く笑いながらAの頭にぽんと手を置くと、安心したのか固かった表情を柔らかくした。
持っていた飲み物を一気に飲み干してAと天月は自分の部屋に戻っていった。
‥にしても、見る限りあの患者
もしかして何か事情があるのかもしれない、目覚ましたら色々聞かなくちゃだな。
そ「あ″〜〜〜‥‥‥‥面倒くせぇ‥‥」
呟いた言葉は、無機質な部屋に響いただけだった。
.
8人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:聖 | 作成日時:2022年7月20日 16時