Alice in ██ .【my】 (ページ4)

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狭い上に暑い木々を潜り抜け、そのまま何分か歩くと目に入った三階建ての施設。
周りは気化熱なのか何なのか分からないが、風が吹く度ひんやりとした感覚が肌を撫でた。

ここまで来るのに約15分。ちょくちょく休憩を挟んでいたとはいえお互いの腕はもう限界。
最初は悪態をついていた天ちゃんですら段々と口数が減り、今はもう何も喋らない。
もう目の前に入り口が見えているのに果てしなく遠い様に感じる。

『このままだと私達も熱中症なりそう‥‥』

天「俺もうなりかけてる‥‥‥しぬ‥」

『でもこの人早く涼ませないとまずいんだよねえ‥』

動く気力すら沸き起こらず諦めかけていると、明らかに先程とは違う冷たい風が吹き抜けた。
久しい涼しさに、前を見ると入り口から２人の顔見知りが出てくるところだった。

『‥‥‥‥‥まふ！そらるさん！』

ま「ん？って、どうしたのAちゃん！？天ちゃんも‥‥！」

そ「其奴も誰だよ‥‥」

『説明は後！とにかくこの人中に入れてくれない！？』

side mf

形の良い輪郭から汗を滴らせ声を張り上げる姿に何か事情があって連れてきたのだろうということだけは理解できた。
そらるさんもそれを汲み取ったのか顔色を悪くして依然気を失っている患者(？)に駆け寄り、横抱きにしてこちらへ向かってきた。

普段は部屋にこもっているくせに何処からそんな力が出るのか不思議でたまらないが、今はこの衰弱しきった人を助けるのが先だと思い近くにあった担架をそらるさんに差し出した。

そ「担架の存在忘れてたわ‥‥さんきゅ。」

ま「いえいえ。ボクもすっかり抜け落ちてたので。」

そういえば‥‥‥

今にも熱中症になりそうだったAちゃんと天ちゃんは大丈夫なのかと後ろを向くと、疲れた顔をしながらも入り口のドアを内側から閉めていたのを見て安心した。

そ「完全に熱中症だ‥‥‥‥早く医務室連れてくぞ。」

ま「はい‥‥！」

微塵も知らない男性の青白い顔を見つめて、医務室へと急いだ。

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