【銀魂】電車に乗ってただけなのに･･･その3

○109話 ページ30

土方side




意識が朦朧とする




動くのは右足と左腕




ニヤニヤとした攘夷浪士たちの顔に嫌気が差す




1人で突っ込むべきではなかった




応援を呼んで戦力が整った状態で突入すべきだった




今後悔しても遅いことくらいガキでもわかる




判断を誤ったのは俺が未熟だったから




ハッ、Aを叱れるほど俺も立派なもんじゃねぇな




懐からタバコを一本取り出し、火をつける




こんな状況でタバコを吸い始める俺を見て攘夷浪士たちは怪訝な顔をする




気にせず吸い続けるのを奴らは良しとしない




今にもとどめを刺そうと斬りかかろうとしている




土「俺の命をテメェらに差し出すつもりはねぇよ」




重い体を無理やり起こし刀を握る




来る、と思った次の瞬間




ドカーン!!!!




上から壁を蹴破って何かが入ってきた




突然のことで何が何だか分からなくなっているのは俺だけではなかった




この場にいる全員の視線を奪って登場したのは




「お待たせしました、土方さん」




Aだった




Aside




うんうん




驚いてるね




私も驚いてる




自分にこんな体力があったなんて驚きしかない




格好つけて登場したけど攘夷浪士の皆さんに勝てる見込みははっきり言ってない！




精々10人が限界だろう




でもそれでいい




私はあくまで時間稼ぎだ




攘夷浪士「なんだ、貴様は！」




「私？ただの土方さん推しの女中ですがなにか問題でも？」




攘夷浪士「ありまくりだわ！！」




ボケをかまして無視しないのかこの漫画のいいところだと思う




「土方さんだけじゃなくてさ、私とも遊んでよ」




そう言ってるけど無理です




私と遊ばんといてください




ほぉとかいって狙いをこっちに変えてくる




うんわぁ、ちょっと死んじゃうかも




震える体を奮い立たせてそこらへんで拾ってきた鉄パイプを構える




すると土方さんが私の隣に立った




土「何できた」




「土方さんが好きだから」




その一言で土方さんは笑った




そして同時にこう言った




土「死ぬんじゃねぇぞ」




「死ぬんじゃねぇぞ」




襲いかかってくる攘夷浪士たちをあしらうのは大変だ




剣術も力も相手の方が圧倒的に優っている




少しでも気を抜けばざっくりやられてしまう




でもそうならないのは土方さんが一緒だから




あと5分で私たちは助かる



それまでは死んでも生きなければ

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