【銀魂】電車に乗ってただけなのに･･･その3

○106話 ページ27

次の日はもちろん仕事があるのだけれど…




土方さんに怒鳴られてから顔を合わせるのが申し訳なくなってつい避けてしまう




朝の食堂も土方さんが来た瞬間、小林さんに食器洗いを交代させてもらったり




廊下でばったり会いそうになると近くの隊士の人に話しかけたり




声をかけられそうになるとトイレに逃げ込んだり




なんとまぁわかりやすい避け方を




自分でも情けなく思う




土方さんのことが嫌いになったとかそんなことはもちろんない




天地がひっくり返ってもそんなことは絶対にない




私が土方さんとどんな顔して会えばいいのかわからないのだ




笑顔で話し掛ける？




いや、そんな度胸ないわ




思わずため息までこぼれてしまいそうだ




洗濯物を干し終えて壁に寄りかかりぼんやり空を眺める




ふと余計なことまで考え始める




仕事ができる土方さんと簡単な判断ができない自分とはやっぱり釣り合わないし一緒にいちゃいけないのではと




もんもんと考えてしまって




頭をぶんぶん振るけどその雑念は消えない




もしかしたらこの行動で私のこと嫌いになっちゃうかもな




やだなぁ、嫌われたくないなぁ




またしてもため息を吐いてずるずると地面にへたり込むと明るい笑い声が聞こえてきた




その笑い声の方を見てみると近藤さんと土方さんが楽しそうに話していた




そしてなんとこちらに向かってくる




声をかけられないようにそろりとその場をあとにしようとするが、その努力は無駄となる




近「お、Aちゃんじゃないか！」




あぁーーーーー




流石に近藤さんを無視することはできない




恐る恐る首を近藤さんたちの方に向けると土方さんの眉間には皺が寄っていた




うわぁーーーーー




これは怒っていらっしゃる




そんなことを知ってか知らずか近藤さんは変わらず私に話し掛ける




近「洗濯物を干していたのか！
毎日毎日すまないなぁ
いやぁ、Aちゃんみたいな優しくて仕事ができる子が来てくれて本当によかった！
なぁ、トシ」




土「あ？あぁ…」




「あははは、ありがとうございます汗
では私はこれで…」




土「おいっ！」




逃げようとしたとき




私の腕をガシッと掴んだ




逃すまいと少しきつめに掴まれた腕




稽古でできたマメ




男の人らしいがっしりした指




真っ直ぐこちらをみる視線に




顔が赤くなるのに耐えられなくて




つい




「いやッ」




その手を振り払ってしまった

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