こんな所じゃなくてこの携帯 ページ32
「え…嘘、いやそんなはず無い…」
彼女は必死に携帯を確認するがその顔色はどんどん悪化していく。
周りの女子も何か思い当たるフシがあった様でそれぞれ携帯を確認しては顔を青くしていく。
そこに追い打ちをかけるようにAは
「あ♡他の皆さんの
と笑顔で言い放った。
「ヒィッ！」
「どうしようどうしよう！」
「き、気持ち悪い！」
5人の内4人はその言葉に反応して悲鳴をあげては逃げるようにしてその場を立ち去った。
ただ1人、見張りをしていた女子だけが残ったが
「あは。先輩の彼氏さんから伝言です。そんな子だと思わなかった。俺達終わりだね。…ですって♡」
Aがそういった瞬間涙を流し静かにその場へ崩れ落ちた。
状況を理解出来ていない白井の手を取り
「こんな所で座っていないで、黒尾先輩のところへ行きましょう！」
と微笑みかけるA。
白井は静かに頷きその場をあとにした。
「何があったか…知りたいですか？」
並んで歩きながら白井に優しく話しかけるA。
「うん。」
少し無理に微笑む白井に
「わかりました。」
と返すとAは軽く息を吐いてから
「まず、先輩があんな事をされるようになったのは黒尾先輩と付き合ってからですよね。
私、理由があってその前から先輩のこと知ってたんです。それで何となく先輩を見かける度に話しかけようとしてたんですけど、なかなか上手く行かなくて…」
と話した。
この時点で驚きを隠せない様子の白井を見て少し笑うとAは話を続けた。
「そんなときに黒尾先輩と付き合ったって知りました。黒尾先輩を口実に話しかけるチャンスだと思って空き時間に教室へ寄ったんです。
他の先輩方は移動教室で先に行ってしまっていたのに白井先輩だけが教室にいて」
少し声のトーンが下がりAの表情は暗くなる。
「ひと目でなんとなくわかりました。先輩が教科書を探しているんだろうなって。
私は無音カメラで先輩を撮って静かに教室へ戻りました。
その日から写真や動画を撮るのが癖になりました。その瞬間を見つける度何度もこの携帯に収めました。」
自身の写真フォルダを開いて見せ
微笑むA。
「そんな事を繰り返していると相手の人の顔や名前を知らない間に記憶しまして。
外出したときに見かければあとをつけたりしました。そして皆さんの弱みを握りました。
その後は簡単です。媚を売って信頼されて。」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 568人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ハイキュー」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ろまじ(プロフ) - 奏天さん» 返信遅れてしまって申し訳ありません。正直コメント拝見した瞬間あまりの勢いに動揺しました笑とても嬉しいですありがとうございます。 (2022年1月26日 20時) (
レス) id: 18231af5bd (このIDを非表示/違反報告)
奏天(プロフ) - あぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁ好きです(遺言) (2022年1月6日 18時) (レス) @page41 id: 115331bfc2 (このIDを非表示/違反報告)
ろまじ(プロフ) - コムギさん» 返信遅れてしまって申し訳ありません。コメントとても嬉しいですありがとうございます。とてもゆっくりですが更新頑張りますね。 (2021年10月15日 23時) (レス) @page40 id: 18231af5bd (このIDを非表示/違反報告)
コムギ(プロフ) - この作品面白くて見てて楽しいので凄く好きです！更新待ってます！頑張ってください！ (2021年8月19日 0時) (レス) id: 7b0ed3f04f (このIDを非表示/違反報告)
ろまじ(プロフ) - 豆さん» ありがとうございます。だいすきだと言っていただけてとても嬉しいです。お言葉を糧に更新頑張りますね。 (2021年1月14日 10時) (レス) id: 18231af5bd (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ろまじ | 作成日時：2019年6月30日 22時
