【オリジナル】私立綾島探偵事務所の事件簿 (ページ4)

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第1章－パティシエ殺害事件－ページ4

＿カランコロン

扉が開く音がする。

「失礼します。こちらが、綾島探偵事務所ですか…？」

「ええそうですよ、こちらのソファーにお座り下さい。」

敬語の綾島さんなんて…初めて見ましたよ、俺。
笑顔も「営業スマイル～」感が否めないですね。

「貴方様のお名前をお聞きしても？」

「天坂(あまさか) 七香(しちか)と申します。ここに依頼をしに来たんです。警察に言っても信じてくれないだろうから…。」

「どんな、話ですか？我々に出来ることがあるかも知れませんので…」

「っ…そうですね、実は私の結婚間近だった彼が…急に苦しみながら亡くなったんです。」

「急に…？亡くなったってどういうことですか？」

「毒物を摂取したのでは？」

「私も最初はそう思いました。でも幾ら検査しても毒物反応が無いんですよ…！」

そう言い、天坂さんは泣きそうな顔で言い放った。
涙も少し出ていて、「本当に信じられない」と思う言い方だ。

「天坂さんハンカチをどうぞ」

「ありがとうございます。」

「被害者、天坂さんの彼氏の詳しい詳細をお願いします。」

「はい…彼の名前は玉宮(たまみや) 直人(なおと)。年齢は私と同じ23歳です。職業はパティシエです。」