73.対面 ページ26
「…着いたよ、エレン」
外に出ると、月明かりが程よく私たちを照らしていた。
潮風の匂い、砂浜の感触。
彼はあたりを見回して、ただただ呆然としていた。
「これが海…。うみって、何もしないか？」
「何もしないよ、怖くないよ」
ザザ…と流れる波に、エレンは目をキラキラさせて、思い切り海の方へ駆けて行った
ズボンなんてびしょびしょにさせて、海に飛び込んで楽しそうにはしゃいでいる。
本当に…見てみたかったんだな。
「A！海ってすげえしょっぱいぞ！本に書いてあった通りだ！」
「うん」
「海って背が高いんだな、オレよりすげえ高い！」
「…うん」
多分、水平線のこと言ってるんだろう。
子供みたいなエレンにクス、と微笑みが混ざる。
彼の喜んだ声と波音が綺麗に混ざり合い溶けていく様を見て、本当に来てよかったと思えた。
しばらくして遊び終えた彼は私の元に帰って来て、砂浜にある流木に腰かけた。
満足したのかな。
「もう平気なの？」
「ああ！満足した！」
「よかった…」
「なあ、あの波って誰が動かしてるんだ？動かしてる奴も大変だな」
「…ふふっ」
エレン、子供みたい。
彼にとっては未知の世界。海を見るなんて夢にも思ってなかったんだろうな。
…いや、逆トリップして来たこと自体、夢にも思わなかったと思う。
「……さむ」
「…ほら」
私は両腕で自分を抱きしめて震わせていると、彼は自分の上着を脱いで私に被せてきた。
「…ありがとう」
「別に、オレ寒くねーし」
そういうと、再びさざ波が鳴る海へと方向を向ける。
…また、だ。
時々見せるその遠くを見つめているような目。
その目には一体なにが写ってるんだろう。
元のいた世界のこと？
仲間のこと？
…そうだよね。
彼はここの世界の人間じゃないってこと、また忘れてた。
「…あ、あのエレ、」
「A。オレ、海を見て考えたんだ」
「…！！」
ふと、いけないことがよぎる。
『そうでもなかった』
『期待してたものではなかった』
そんな言葉を浴びせられたら、彼らの歴史が左右されてしまう。
ただ、エレンは間違いなく、元のいた世界の事を考えてるのだと確信した。
…苦しい。
このどうしようもない胸の痛みの原因は、きっと、もう分かってる。
エレンくんが一言
｢え？ミカサ？普通の家族だけど。お前？お前は･･･。内緒｣
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めるこ(プロフ) - パオパオさん» ありがとうございます！そうです、決してクレアのものではありません( *｀ω´)ぜひこのエレンを独占しちゃってください♪ (2018年10月13日 11時) (
レス) id: d8157e943f (このIDを非表示/違反報告)
パオパオ - エレンは私のもの！！…更新頑張ってくださいね！！ (2018年9月2日 23時) (レス) id: 9d2223bf2d (このIDを非表示/違反報告)
めるこ(プロフ) - reiponnさん» コメントありがとうございます！おそらく想像もつかないような展開になると思いますので、見守っていただけますと嬉しいです(o^^o) (2018年7月23日 19時) (レス) id: d8157e943f (このIDを非表示/違反報告)
reiponn(プロフ) - ああああああああああやめてえええええええ、クレアちゃんに興味示したらだめええええ泣ちょっと雅くん（＾ω＾）ちょっとお邪魔かな？うん（＾ω＾）この二人が幸せに結ばれますように！！更新頑張ってください！ (2018年7月15日 17時) (レス) id: 61a6d8b17c (このIDを非表示/違反報告)
めるこ(プロフ) - 黒猫さん» ありがとうございます！はい、頑張らせていただきます(T ^ T) (2018年5月29日 16時) (レス) id: d8157e943f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：めるこ
| 作成日時：2014年1月17日 22時
