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72.居心地 ページ25

やっとこさ2人で息を切らして元の6階に駆け上がった。
扉に手をかけようとするもエレンに「待って」と注意される。


「もう先生が徘徊してるかもしれない、それに扉の音で気づかれる」


「じゃあどうしたら…」



エレンが指を指したのは階段の隣、言わば壁の隣に設置されている掃除用のロッカーだった。
まさか…



(入るなんて無理だよ、中に用具入ってる…!)


(ちげえよ、その隣!)



隣…!?
エレンが言っているのはロッカーではなく、その隣の何もない、人が2人分入るか入らないかの隙間。
そこに入り込み隠れようと言ったのだ。


(アホじゃないの!?狭いし、見つかるに決まってるじゃん!)


(じゃあ捕まって説教されたいか!?)



そ、それは嫌だけど…!



(相手側からならロッカーしか見えない。その影に隠れれば俺らが見えないだろ、それまで耐えるんだ)


エレンはそう言うと、私の手を引っ張り、ロッカーの影に入れ込む。
ロッカーの上にあった白い大きな布を広げ



(…!!)



私とエレンを布に包んだのだ

白い世界の中、心臓がバクバクと鼓動を立てる
目の前にいるのは外を警戒して首をあちらに向けている彼。

スタスタ、音が近付くのと同時に
目の前にいたエレンが私を挟んで壁に手をつけ、私のことなんて御構い無しに身体を密着させる。

く、苦しい…!
狭いから苦しいんじゃない、心臓がうるさくて息ができない
このままでは聞こえてしまう…!

彼は外を睨みひたすら静止。
首筋が見え、横顔すらもドキッとくるその瞳を、息を呑んで見つめていた。



お願い、早くいなくなって…!

この現状を少しでも軽くしたくて、目をギュッと瞑った。
次第にスタスタ、という音が遠ざかっていく。
良かった…!



「…」


「…いなくなった」


「っ、エレン!こっち向いちゃダメ!」


「え?」



私の忠告をガン無視したエレンは、私の方向を向いてしまった。
エレンの鼻先が私の鼻先に当たりくっつく。



「〜!!」


「…あ…!!」



至近距離で彼の目を捉えた。彼の髪が頰についてくすぐったい。

事の状況を把握したエレンはそのまま顔をふつふつと赤くさせ、バッと布を取った。



「その、えっと、これはやましい事とかじゃなくて!」


「…いいよ」


「…へ」


「エレンになら、ああなっても構わない」



彼は目を見開いて、「…やめろよ馬鹿」と髪をくしゃ、とさせた。
でもそれは、不思議と本音なんだよ。



「行こう、エレン」



.

73.対面→←71.非常階段の悪いところ


エレンくんが一言

「え?ミカサ?普通の家族だけど。お前?お前は・・・。内緒」


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めるこ(プロフ) - パオパオさん» ありがとうございます!そうです、決してクレアのものではありません( *`ω´)ぜひこのエレンを独占しちゃってください♪ (2018年10月13日 11時) (レス) id: d8157e943f (このIDを非表示/違反報告)
パオパオ - エレンは私のもの!!…更新頑張ってくださいね!! (2018年9月2日 23時) (レス) id: 9d2223bf2d (このIDを非表示/違反報告)
めるこ(プロフ) - reiponnさん» コメントありがとうございます!おそらく想像もつかないような展開になると思いますので、見守っていただけますと嬉しいです(o^^o) (2018年7月23日 19時) (レス) id: d8157e943f (このIDを非表示/違反報告)
reiponn(プロフ) - ああああああああああやめてえええええええ、クレアちゃんに興味示したらだめええええ泣ちょっと雅くん(^ω^)ちょっとお邪魔かな?うん(^ω^)この二人が幸せに結ばれますように!!更新頑張ってください! (2018年7月15日 17時) (レス) id: 61a6d8b17c (このIDを非表示/違反報告)
めるこ(プロフ) - 黒猫さん» ありがとうございます!はい、頑張らせていただきます(T ^ T) (2018年5月29日 16時) (レス) id: d8157e943f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:めるこ | 作成日時:2014年1月17日 22時

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