武装探偵社のわんこ。

わん×3 ページ4

「ほら、おいで」

敦くんに持ち上げられる。

ドロドロだから抱いてもらってはいないのだけど。

「大人しくしててね」

『わん』

返事をする。


「国木田さーん」


金髪のあの人が。

国木田さんだ…！！
またまた尻尾が自然と振られる。


「うげ、なんだその小汚い犬は」

「僕に何故かついてきちゃって…」

『わん！』

小汚い犬って…

まあその通りだけども。


「あの、取り敢えずお風呂に入れてあげてもいいでしょうか？」

国木田さんが怖い目をしてこちらを見て来る。

ウルウル作戦だ！！
瞳をウルウルさせて国木田さんを見る。

国木田さんは犬嫌いじゃないしね。


「うっ…す、好きにしろ…」

はいチョロい((


そうして私はお風呂に入ることができた。


「はい、お風呂に入ろうね」

探偵社お風呂あったんだね！！


その後敦くんにお風呂に入れてもらってただいま脱衣所。

イヌ科がネコ科にお風呂に入れてもらっているなんとも言えない図だった。

くっ…

敦くんがタオルを持ってこちらに近づいて来る。


あ！！犬だからあれやりたい！！

あれとは体を震わせて水を飛ばすあれ←


体を震わせて水を飛ばす。

うひゃあー！
楽しいっ

「うあっちょっとっこらこら」

敦くんに捕まえられる。

うわっ

タオルで包まれて体を拭かれる。


うん、気持ちいいです…



その後脱衣所のドアを開けられ、敦くんを先頭に脱衣所を後にする。


すると、視界に入った太宰さん。


太宰さん！！
尻尾を振って喜ぶ。
敢えて吠えない。

太宰さん犬嫌いだもんね！！



敦くんが先頭に立っているからまだ太宰さんはこちらに気づいていない。

すると、
敦くんが抱き上げてくれた。

ぬふふ((


やばい、にやけてないかな

犬だから大丈夫か。



するとそれを見た太宰さんの顔が引きつった。

「うげっ、それは何かな敦くん」

「？犬ですよ！太宰さんも触りますか？」

と、ソファで寝ていた太宰さんに近寄る。

今日は入水してなかったみたい。

シャツから洗剤のいい香りがします。



犬だから鼻がいいんだよ、決して変態ではない



敦くんが一歩近くと、太宰さんはソファから跳びのき、敦くんが近寄った倍の数(つまり二歩)以上後ろに下がった。


「あ、あれ、太宰さん犬ダメだったりします？」


「そ、そうなのだよ、だからそれ以上近づかないでくれ給えよ」

太宰さんの顔が青い。


しかし私の尻尾はブンブン振られているのだった。

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