鶯色の神隠し【刀剣乱舞】 (ページ9)

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9.刃ページ9

める「＿＿＿やめてください！！」

味方同士で斬り合いになるのでは、と感じた私は、2人の間に割って入っていた。

鶯丸「＿＿！！」

める「鶯！お願い刀を仕舞って…！！」

戦いや手入れで刀は見慣れているつもりだった。

でも、刀を構えた鶯を目の前にすると、ギラリと光る刃に足が竦んだ。

める「……違うの…っ…誤解してる…！お風呂からでたら着替えがなくなっていて…そこにたまたま通りかかった鶴さんが着物を貸してくれて……恥ずかしくて勝手に私が泣いてただけなんです…っ…！だから鶴さんは悪くないの…」

何言ってるのかわかんない…

でも、下手な説明が伝わったようで、鶯は刀を納めてくれた。

その姿を見てほっとした私は、腰が抜けてへたりとその場に座り込んでしまった。

やだ……体が震えてる

鶯丸「＿＿状況は分かった。悪かった。」

鶯は鶴さんに言うと、しゃがみ込んで私と目線を合わせようとした。

でも、今の私はとても鶯のことが見れなかった。

鶯丸「＿＿主、」

その白い指がそっと肩に触れるだけで、びくっと私の肩は大きく揺れた。

鶯丸「…………無理もないか。」

鶯は小さく呟くと立ち上がり、そのまま去っていく。

一期「主…！お着物を……！」

入れ替わるように着物を持った一期が来て、私の手を優しくとって立たせてくれた。

こんなにも温かくて優しい手。

なのに、ひとたび刀を取れば、この手で人を殺してしまうんだ。

そんなこと、とっくに分かっていた

わかって……いたのに…

める「＿＿＿っ……ぅ…」

一期「主…？」

ああ、どうして涙が出るんだろう。