16.熱い ページ16
A「鶯、お帰りなさい^ ^ すぐに温かいお茶を＿＿」
鶯丸「＿＿主」
立ち上がろうとした瞬間、鶯が私の袖を引いた。
A「……？」
鶯丸「土産だ」
そう言って私に綺麗な青い箱を渡す。
A「わっ…！す、すみません…！ありがとうございます…！」
びっくりして嬉しくて、だけど……
A「鶯……？＿＿待って…！」
渡すだけ渡して行ってしまう彼にすぐに声をかけた。でも、
鶯丸「……主、すまないが後でもいいか？……疲れたから…少しだけ休ませて……」
A「……ぁ…は、い…。それではまた後ほど…」
鶯丸「………」
一瞬だけ触れた彼の手の温度。
疲れてるだけ？気のせい…？
仕方ない…。また後で＿＿
鶯丸「＿＿おい、……そんな顔するな。どうした？」
立ちすくみ箱を見つめる私を見て、鶯は廊下の途中で引き返して来てくれた。そして、私の頬にそっと触れる。
A「……ぇ…っ…？」
そんなつもりはなかったが、私は彼を心配させるような表情をしていたのだろうか…？
びっくりして顔をあげると、鶯が優しく笑った。
鶯丸「何か話があるのではないのか？」
A「い、え…っ！…そうじゃないんです…ただ…」
気のせいなんかじゃない…
私の頬に触れている手はあまりにも熱くて。
鶯丸「………」
それを言おうとしたとき、急に無言になり、鶯からは笑顔が消えた。
A「……鶯…？大丈夫…ですか？」
鶯丸「……っ……だい、じょう…ぶ……」
私が声をかけると、鶯は苦しそうに無理に笑った。
＿＿明らかに様子がおかしい。
よく聴くと苦しそうな呼吸、潤んだ瞳からは今にも涙がこぼれそうだ。
A「……！？鶯…？どうしたんですか…！？身体がつらいの？？はやく横にならなきゃ……！」
途端にどっと不安が押し寄せてきて泣きそうになった。
鶯丸「……っ……ある、じ……すまない…、…本当に……具合悪い…っ……」
無理につくった笑顔も消え、なんと鶯はその場にばたりと音を立てて倒れ込んだ。
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