鶯色の神隠し【刀剣乱舞】 (ページ45)

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45.鶯丸side ページ45

鶯丸「………はぁ。」

9月になるとやはり寒いな。

広い庭だ。相当金持ちだなこの家…

立派な錦鯉が泳ぐ池を見つめ、そこにしゃがみこんだ。

鶯丸「はぁ……」

二度目のため息。

今日は疲れた。

鶯丸「付いて来たはいいものの、やはりあまり気分の良いものではないな。」

主の縁談を上手くいかせたい自分と、主を独占したい自分。

2つの気持ちがある

いや、あった…
でも今は＿＿

鶯丸「……はは…主が思っているほど俺は大人ではないようだ。」

…やはり、好きな女が他の男と居るというのは

鶯丸「……嫌…だな………」

でも……言えない

主を困らせてしまうから

鶯丸「＿＿ふっ…今聞いたことは秘密にしておいてくれよ。」

綺麗な錦鯉にそう笑いかけた。

錦鯉「はい！わかりました鶯丸様！」

鶯丸「……えっ…！？」

に、錦鯉が喋った！？！？

思わず前かがみになって池の中を覗き込んだ。

水面に映ったのは＿＿

鶯丸「あっ……主…！？！？」

A「来なくていいって言われたけど来ちゃいました。てへぺろ☆」

もう池の中に飛び込みたい……

鶯丸「あ……っ……その……うぅ…」

聞かれてしまった
無理だ言い訳できるはずない…

今どう思われているか…
主の顔、見れない……

鶯丸「＿＿すまない。俺の立場でこんな…」

目を伏せたまま主に謝った。

A「……鶯。今日はありがとうございました！！鶯が居てくれたからとっても安心できました…！」

鶯丸「…？…あ、あぁ……別にそんなこと…」

A「そして！申し訳ありませんでした！」

…？？？

主は深々と頭を下げた。

鶯丸「や、やめろ主…！俺に頭なんか下げるな…！」

A「私ね、わがままばっかりだった。鶯が私のこと本当に好きならもっとこうして欲しい、何でこうしてくれないのって…。そんなことばっかり……」

主は俺の隣にしゃがみ込んだ。

A「……自分のことばっかり。今日だって…私は付いて来てくれて嬉しかったよ…でも、反対に来てくれた鶯の気持ち考えてなかった。」

あぁ本当に優しいひとだ。