CHERRY. *sho sakurai* (ページ5)

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5.スルドイ仲間～翔side～ページ5

サラダに添えてあるさくらんぼを箸で弄んであの時の彼女を思い出す。

あの思わず、ん？って素の顔したあれがほんっと可愛くてさ。

もう会えないんだろうけど、あの時間よかったなぁ…。なんて。

雅「翔チャン！翔チャン？」

相葉くんに呼ばれて意識が現実に戻る。

翔「あ？あぁ…なに？」

雅「何じゃないでしょ。さくらんぼ突っつき過ぎじゃない？(笑)」

翔「え？」

和「ね？変でしょ？」

雅「ホントだ。変だ！」

仕事の帰りに久々に相葉くんとニノと3人で居酒屋で飲んでいた。

あれからさくらんぼみたいなあの靴と彼女の顔ばかり思いだす。

和「アレじゃない？この前の収録の日。あの日から変よ。」

雅「あぁ。いろんな人来てたもんね？なんかあったな。(笑)」

翔「なんもねぇし！」

気になってしょうがないさくらんぼを口に運ぶ。

和「翔チャンわかりやすいんだよ。俺が思うに出演者じゃなくて、客席だな。」

翔・雅「え？なんで⁈」

あんまりニノが鋭いから思わず相葉くんと同時に聞いてしまった。

雅「え？」

一緒に聞いた俺にビックリした相葉くんが俺を見る。

その様子を見て自分の予想が当たったと悟ったニノが

片手を口に当ててプッと吹き出した。

翔「ちょ、ちょっと、トイレ！」

ニノにこれ以上突っ込まれないように俺は席を立った。

トイレに行くのに個室をでる。

向かいの個室にふたつ並んださくらんぼ。

まさか、ね。

そんなに何回も見たわけじゃないから同じ靴かわかんないし。

ポケットに手をいれたまま立ち止まって靴を眺めていると、

「すみません。お先に失礼します。」

と襖の向こうから声が聞こえた。

やべ。誰かでてくる。
と、思って襖に背中を向けると、スーっと襖が静かに開いた。

中から中年の酔っぱらいの声。

「また、飲もうね！サクライ先生！」

「サクライ先生帰っちゃうんじゃ、今日の会合もお開きだなぁ。」

「ふふ。すみません。電車なくなっちゃうんで…。失礼しまーす。」

酔っぱらいのおじさん達をなだめるように優しく、でも事務的にいう声。

学校の会合かな？

てか、サクライ先生、同じ名前なんだ…。

なんとなく、同じ名前のサクライ先生と呼ばれる彼女が気になって、後ろを盗み見た。

翔「あれ？」

何度も思い出していた笑顔がそこにあって、
知らない振りなんて

できなかった。