CHERRY. *sho sakurai* (ページ6)

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6.彼女の名前～翔side～ページ6

赤い靴を履く彼女をみて、思わず声をかけた。

A「え？え…？翔…クン…？」

びっくりした彼女は目をまん丸にして両手で口を覆った。

翔「はは。いや、なーんか見たコトある靴だと思って。直ったんだ。」

A「はい…。あの…、お気に入りだったので修理にだして…。その節はありがとうございました。」

彼女が立ち上がってぺこりと頭をさげる。

翔「いやいや…、よかったらさ、一緒にどお？あ、てか、今、帰るところだよね…。」

A「あ、ハイ。」

ヤバイ。
俺、テンパってる？

翔「だよな。あ、じゃあ…、次回必ずっていうのはどう？連絡先とか聞いてもいいのかな…。」

A「は…い。え？」

このままここで別れたら、もう会えない。
明らかに混乱している彼女から半ば強引に携帯を出させて赤外線で彼女の連絡先を貰った。

翔「必ず、連絡するから。」

そう言って店の出入口に向かう彼女の背中を見送り

翔「っしゃあー！」

と、その場でガッツポーズ。

こんなコトってある？
奇跡じゃね？

部屋に戻ると

ニノと相葉くんが２人並んでニヤニヤしていた。

雅「翔チャン、ナンパはマズイよ～(笑)」

和「客席に誰か連れて来てたんだと思ったら、違うのね？」

翔「そんなんじゃねーし、ナンパじゃねーし！」

しょうがない。
俺はこの前の収録の日のコトを２人に話すことにした。

・

和「まぁ、翔チャンにしたらがんばったよ。」

ニノが箸でポテサラを口に運ぶ。

俺はカラカラの喉にビールを流し込んだ。

雅「ね、俺、思ったんだけどさ…。翔チャン、あの子の名前聞いた？」

相葉くんの一言で俺の箸が固まった。

和「いや、コレ聞いてないな。っつーかテンパっちゃった？」

雅「翔チャ～ン！(笑)」

翔「……。」

そうだよ！ヤバイよ！
名前も知らないのにメアド聞く？
どんだけがっついてんだって話だよ！
ちょーハズカシイんですけど。

雅「ヤバイ！翔チャン固まってるよ？」

和「ねぇ、赤外線で貰ったんでしょ？自分の名前くらい登録してんじゃないの？」

ニノの言葉にハッとして、
携帯のアドレス帳を開く。

『桜井 A』

翔「…あ、あった…。」

俺がつぶやくと相葉くんとニノが覗き込んだ。

雅「おぉ！サクライさん？同じ名前デスネ。なんつって。」

和「翔チャン、まずはお詫びのメールしなよ？」

翔「だよなぁ…。はぁ…。失敗したなぁ。」

今更押し寄せる恥ずかしさに頭を抱えた。