29.向かいあわせ〜翔side〜 ページ29
思いがけないこの2人の乱入で一気にAチャンも緊張がとけたみたいだけど。
なんでニノが隣なんだよー！
俺だってソコ行きたいけどイキナリ隣は変だしさ。
だんだんと食事が進むにつれAチャンもニノと相葉くんに打ち解けてきて
そのうち仲のいい芸人さんの話になった。
A「あー、そのギャグうちの子ども達の間でもすっごい流行ってる。」
さらりとでたAチャンの言葉に
和「えっ？！子ども達？」
ニノが驚いた顔をする。
翔「あぁ、Aチャン、幼稚園の先生だからね。」
と、俺が説明すると、
和「幼稚園？へぇー。どこ？」
あ、それ、俺も聞きたかったぜ！
A「小石川です。」
何か閃いたようにニノが俺を指さした。
？
その指をAチャンに向ける。
和「ドーム近いよね？」
A「あ、はい。割と。」
雅「俺ら来週からドームだよ。なんて幼稚園？」
A「小石川幼稚園。」
和「そのまんまやないか！(笑)」
ニノがAチャンの頭スレスレを叩く振りをする。
A「わたしがつけた名前じゃないですよぉ(笑)」
首をすくめるAチャン。
だけど。
俺の方を見てはニコッとしたり
困ったように笑ったり。
気配りもできる優しいコなんだなって…。
また、新しいキミが見れた。
雅「あー、食ったね。」
と言って相葉くんがグラスに残ったビールを流し込むと
雅「Aチャン、デザート頼みなよ！」
Aチャンにデザートを進めた。
と瞳をキラキラさせてメニューを見るAチャンに思わず魅入ってしまう。
A「チェリーパイにしようかな…。」
Aチャンがそう言うと相葉くんがつかさず
雅「すみませーん！チェリーパイ二つ。」
と、指を2本立ててスタッフに見せた。
え？二つ？
不思議に思っていると
雅「じゃ、俺ら行くね。」
と、2人して席を立った。
翔「え？帰んの？」
和「Aチャン、翔チャンよろしくね。」
ニノの言葉に
小さく頷くAチャン。
階段を降りる直前に
和「あ、翔チャン、ココよろしく！」
翔「なんでだよ！(笑)」
和・雅「バイバ〜イ！」
騒がしい2人が帰って行くと急に静かになって
翔「なんか…、ゴメンね。」
と、言うとAチャンは首を横に振って
A「ふふふ。なんか、素の翔クンが新鮮だった。」
って、
ふわっと笑った。
その笑顔に頬が緩む。
今はまだキミの顔がみれる向かい合わせでいいかも。
でも、必ずその隣、俺が座るからね。
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作者名：茉莉
| 作成日時：2012年11月23日 23時
