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けっきょく Aを部屋に運んで ベッドに寝かせたのは俺
けっこう雑に寝かせたけど やっぱりAは起きなかった
数時間経てば また事務所に戻らなきゃいけない
明日もというか もう今日の話だけど 朝からスケジュールがつまってる
ミーティング
練習
撮影
インタビュー
作業
有難いことに 世界レベルで忙しい日々を送ってる
だから少しでも早くベッドに横になって 少しでも多く休んだ方がいい
その方が絶対いいに決まってる
頭ではちゃんと分かってんだよ
それなのに
それなのに俺って奴は
なんでAが寝てるベッドに腰掛けて なんで寝顔なんか眺めてんだ
いや
なんでかは分かってる
分かってるけど
けど…
「変態みてぇ…」
『ん…』
起きたか?
『……ぅ』
ムカつくくらいよく寝てやがる
お互いの鼻が触れるか触れないか
ギリギリまで顔を近づけてみるけど やっぱりAが起きる気配はない
サイドテーブルの灯りに照らされたAの顔は 元々童顔だけど 寝ていると更に幼く見えて
ホソガたちと同じ94lineなのに まだまだ守ってやらないといけないと思った
一人になったくらいで へばってんじゃねーよ
前髪を少しよけて できるだけ優しく頭を撫でた
本当 よく寝てるわ
「…おつかれ」
明日は みんないるからな
『ん… ュンちゃん』
「…ベッドから叩き落とされてーのか」
『ふ… ぉかえりぃ…』
俺をふざけたあだ名で呼んで 子どもみたいにふにゃふにゃ笑う
普段はそんなに笑わないくせに
こういうところが狡くて
敵わなくて
好きだ
寝惚けたAの手がゆっくり伸びてきて そのまま俺のピアスを揺らす
こいつに触れられるのは まぁ嫌じゃない
「よく寝てたな」
『…夢で みんなとごはん食べてた』
「あっそ」
『夢だったの…残念』
「…はいはい」
寝起きのAはふにゃふにゃしてて またすぐに眠ってしまった
どうせまた『みんなで〜』とか『みんなと〜』とか そんな夢見てんだと思う
俺は お前がいるなら何でもいいけど
「…おやすみ」
できるだけ優しく頭をなでてやる
こいつが よく眠れるように
心の中だけで告げよう
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夢か現実なんていいんだ どうだって
そう ただ君がいるだけで
必要だったのは小さな積み重ね JK→←心の中だけで告げよう SG
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作者名:祝詞 | 作成日時:2018年4月29日 19時