恋とは甘くて苦いもの【赤】 (ページ3)

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３すばる先輩ページ3

「えっ、な、なんでここに…」

すばる「い、いや、既読無視するから…」

目をそらすすばる先輩。
隣にいる涼介は不思議そうに首を傾げると、先輩に会釈をして忠義の家の方まで走って行った。

すばる「…一緒に、学校行かへん？」

「え？」

すばる「大倉とはもう言ってないんやろ？」

「は、い……カバン持ってきます…！」

·

少し気まずいいつもの道。
五か月前くらいかなぁ。最後に忠義と歩いたの。

すばる「なぁ」

「何ですか…？」

すばる「お前、まだ大倉のこと好きなん？」

「…そうかも知れませんね…」

自虐気味に笑うと、すばる先輩は苦そうな顔をして前を向き直した。

かと思えば、目を丸くさせる。

すばる「遠回り…」

「？」

すばる「あっちの方向から行こうや」

急に腕を引っ張られ、別方向に歩き出す。
視界の端に見えたのは、綺麗な女の子と手を繋いで歩く忠義だった気がした。

「……やだなぁ。こんなタイミングで…」

すばる「…」

「忠義、ちゃんと彼女幸せにしてやってんのかなー」

すばる「……」

「あいつ、デリカシー無いし馬鹿だし彼女傷つけてないかな」

すばる「それ以上は、あかん」

先輩はまっすぐ私を見る。

すばる「そんな顔でそれ以上は言うなや」