No.20 ページ21
noside
沖田達がAの事を詳しく聞いた翌日の夕方、彼女の居る兵舎を沖田と悠真は訪ねていた
普段は手紙を送るばかりで実際に来た事が無かったのか、驚いた表情で「でけェ、広ェ」と呟く彼。そんな彼を横目に近くにいた門番へ声をかけていく沖田
「すいやせん、ちっと上条Aに用事があって来たんですが、今ここにいやすかねィ」
「大佐なら日課の散歩へ出ているが」
「老後のジジイかあいつは…まぁいいや。
んで、大体どこらへんを通るとか見当はつきやすか?」
おそらく彼女より階級の低い彼が大佐のお散歩コースなんて物を事細かく知ってるはず無いと思いつつも沖田はこう問う、すると予想外の返事が返ってきた
「大佐はいつも甘味処→河川敷→行きつけのラーメン屋のルートで散歩してますよ」
「どんだけ知ってんだテメーは、wikiじゃねーんだよ。調べ尽くすのも大概にしやがれ」
ストーカーばりの情報量に若干引きつつ沖田は彼にお礼を伝え、悠真と共に彼女のお散歩コースを回って行くことにした
テクテクと歩いていく途中でどんどん悠真の顔が曇っていく
「なんかすみません沖田さん、俺の個人的な事にがっつり巻き込んじまって」
「何でィ、今更申し訳無さそうにしやがって…別に巻き込まれる事なんざどうとも思わねえよ……それに、今回の件に関しちゃ俺もアイツに言わなくちゃならねーことが山のようにあんだ」
真横でテンションだだ下がりの彼の肩をポンポンと叩く沖田
「だから、要らねえこと考え込んでないでお前はお前でちゃんと気持ちを伝えろよ、いいな」
「は、はい…!」
パッと表情が明るくなった彼をみて小さく笑った沖田
テクテクと兵舎から歩いてきた二人は、甘味処に到着したので早速中にいた店員に聞いてみたものの既に彼女は団子を食べて出て行ったようで、後を追うべく二人も次のお散歩コースである河川敷へと向かうのだった
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作者名:いちご牛乳 | 作成日時:2016年10月2日 22時