No.14 ページ15
貴方side
屯所の前で沖田を待って数分後、とぼとぼとダルそうな歩き方で彼はやって来た
女性を待たせるとは、なんて奴だ
『おっそ』
「うっせー、足が歩くことを拒否してたんだよ」
『要するに面倒だったんだね』
ため息をつきたいとこだけど我慢して「まあ、ついて来いよ」と先を歩く沖田の後ろをついていく
『・・・』
「・・・」
何で急に喋らなくなったの?まあこいつ自体そこまで口数の多い奴じゃなかったけど
てか、なぜ今一緒に出歩いてるんだろう。そこが謎すぎる
『ねえ』
「なんでィ」
『今日なんで屯所まで来たの、なんで私と出かけんのさ』
「なんでって言われてもねィ・・ま、ちょっくら聞きてえ事があってな」
『聞きたいこと?だったら今この場で聞いてくれて構わんよ』
話しながら足を進めていくと見えてきた甘味処、そこの赤い布がひかれた長椅子に座るよう促されたので腰掛けた
そして店の中から出てきた店員に「とりあえずみたらし4本」と頼む沖田
『奢ってくれんの』
「今日だけの特別だかんな」
『やった』
自分がお金出さなくて良いって嬉しいね
「んじゃ、ここでのんびりしつつ色々聞かせてもらおうかィ」
『どーぞ』
「なら単刀直入だが、
お前さん弟いるかィ?」
『・・なんでそんな事』
「今うちで捜査しててな、お前の事で。本人に聞くのが一番だってのはわかってんだが」
『だったら私に聞けよ、なぜあいつに聞く必要がある』
みたらし4本です、と届けてくれた店員が私達の気まずい雰囲気に苦笑いして戻っていく
「そんなにピリピリすんなって、俺はいるか、いねえか分かればそれ以上聞かねえからよ」
『・・いるよ、2つ下の弟が。今は確か万事屋にいるみたいだけど』
「わかった。んじゃ質問は終わりでィ、雑談タイムでもしねえか」
『よくこの空気の中雑談とか言えるな。私は帰るよ・・・団子ご馳走様』
重たい腰を上げ、彼からの視線を背中に受けながら帰路につく
『くそっ』
なんでこんな
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作者名:いちご牛乳 | 作成日時:2016年10月2日 22時