【ヒプノシスマイク】姐御のお通りだ

Stage.19 ページ19

side:Mr.HC









ゆるゆると頭を撫でられる感触に意識が引っ張られる
だが温かい手が髪に沿ってゆっくり撫でられるのが気持ちよくて、懐かしい
一体いつの頃の記憶だろうかと思い出そうとした俺は無意識に瞼を押し上げた





「……ぁ…ねご…」

「起きたか、左馬刻」





起きたら、そこには姐御が俺の横で一緒になって寝ていた
姐御に拾ってもらってすぐの頃は、よく合歓と3人で一緒に寝たのを覚えている
その時の嬉しさと同時に、13年間の寂しさが現れて、俺は姐御の肩に顔を埋めてグリグリと擦りつける
姐御に抱き着いた時によくやってた、姐御の体温とか匂いとかを1番感じられる方法だ





「ふは、くすぐってぇよ」

「ん゛〜〜…」

「もう少し寝てても良いぞ。理鶯も一緒だけどな」

「あー…。……………ぁあ？」





寝惚けてたお蔭で姐御の爆弾発言に反応するのが遅れた
そんで発言の内容を確認しようと姐御の奥を見ると、そこにはタンクトップ姿の理鶯が姐御の胸に顔を押し付け、更には腰に腕回して寝てやがった

さっきまで寝覚め最高だとか思ってたが、前言撤回だわ





「理鶯……この野郎……」

「怒るな左馬刻、理鶯だって人肌恋しい時ぐらいあるだろうよ」

「姐御はもうちょい自分大事にしてくれよッ」





そうだ、姐御は身内にとことん甘いんだった
だから俺や合歓が駄々を捏ねても怒らなかったし、舎弟がミスしても注意するだけで激昂するなんてありえなかった

……つまり、姐御は…理鶯のことも？
あ、そういやさっきから"毒島"じゃなくて"理鶯"だったな
気に、入っちまったのか…





「ハァー…ッ」

「っはは、デケェ溜息」

「…姐御の所為だかんな」

「そうだな、俺の所為だ。だから今は甘えとけ、な？」





そう言われて頬を撫でられれば、もう何も言えず…
俺は姐御の胸を枕にして、心音をBGMに二度寝した









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