決別？ ページ49
その年の課外授業から私達は入念に下調べをしたひでんスパイスの目撃情報やあのオカルト本に書いてあった場所を歩き回った。
大体の場合ヌシが生息しているらしい場所付近に近づくと異様に強い野生ポケモン達がウロウロとしていたり、謎の地震や雄叫びをよく聞いた。
その度血気盛んなモノズとヘルガーが飛び出しては連れ戻すのに苦労したり、ペパー君とストリンダーに引っ張られて逃げ回ったりと大変だったよ。
『色々歩き回ったけどそれらしいヌシ本体は居ないね』
「て言うか、ヌシに辿り着く前に強い奴に追いかけ回されてそれどころじゃねぇよ」
『うーん子分として親分を守ってるのかな。
何にしてもやっぱり2人じゃ今の私の手持ちのレベルだと難しいな…』
「くそ！目的のモンは目の前だってのに…！」
大まかな位置として地図に丸をつける私の横でペパー君は悔しそうに膝を叩く。
エリアゼロに行ってから数ヶ月、マフィティフの容態は改善されてない。
その事もペパー君が焦って短気になってる理由の一つだと思う。
私がもっと強くならなきゃなぁ…。
「はぁ、悪い。A達も頑張ってくれてんのに」
『うぅん。…提案なんだけどさペパー君。
もう数ヶ月だけ、次の課外授業まで私達に時間をくれない？』
「は？…今回のこの期間は、諦めるってのかよ！？」
『言い方を悪くするならそう。
今の私達じゃここで足止めをされ続けちゃうだけで、何も進展しないよ』
「それは、そうだけど…！
そんな悠長なこと言ってたらマフィティフが！！」
『焦る気持ちはわかってる！私達だってマフィティフが大事なんだから。
でも、だからこそ今二の足を踏んでる訳には行かないの』
酷く怒った顔のペパー君に胸ぐらを掴まれて少し苦しくて顔を顰める。
ペパー君ほどには及ばなくても私だって彼が大事だ…助けたいに決まってる。
「そうかよ…。なら好きにしてくれ。
オレは1人でもやってやる！」
『え、いやっペパー君！？そういう意味じゃ！』
乱暴に手を離したペパー君はこっちに背を向けて走り去ってしまった。
はぁ最近こういうのばっかりだな…。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 182人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ユキワラシ(プロフ) - ﾁｬﾝさん» コメありがとうございます！最高だなんて大変励みになります。今後もお楽しみいただけると嬉しいです！ (2023年1月4日 17時) (
レス) id: c5899b6e8a (このIDを非表示/違反報告)
ﾁｬﾝ - 最高ですありがとうございます大好きです！ (2023年1月3日 3時) (レス) @page45 id: 20137c8c3d (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ユキワラシ | 作成日時：2022年12月16日 11時
