勝敗 ページ43
ヒノヤコマが繰り出したエアスラッシュはデルビルに向けて一直線に向かってきている。
肌にあたる風に寒さとは別物の鳥肌がたつ。
『っはぁ、集中しなきゃね。
デルビル！そんな風やきつくして決めてこい！』
「アォオンッ！」
腰元でガタガタと震えるモンスターボール達をなでて、上がりかけた呼吸を整える。
トラウマなんてぶち壊して勝利をもぎ取るんだ！
「！性能が上がってるほのおタイプ技とはいえ、こんな威力が…！
ヒノヤコマ注意して、爆風に紛れてしかけてくるはず！」
『その通り、っしゃ行けデルビル！かみなりのキバ！！』
ネモの警戒は正しい。
大量に吐き出された全てを焼き尽くすような炎にエアスラッシュはかき消され、爆風でお互いの視界を覆った。
それでもデルビルは素晴らしい嗅覚でヒノヤコマの位置を割り出し、暗殺者の様に影からその輝く牙を突き立てる。
「勝者、特待生A！！」
『お、やったねデルビル勝ったっ…ってぇ！？』
「ガォオンッ！」
ランナーズハイの様なテンションでぶち当たってくるデルビルを抱き止めようとした。
その筈が駆けてくる途中にまさか進化してヘルガーになるなんて誰が予想でき、いや突進は無理！！
避ける私を執拗に追って飛びつこうとするヘルガーを宥めようと手を前に突き出す。
そこでやっと正気に戻ったらしいヘルガーにホッと息を吐いて視線を下げると、突き出していた手を握られた。
「すぅっごかったねー！！貴女のヘルガー！！
耐えに耐えた忍耐力も、その後の爆発力もホンットに凄かった！
ねねね！もう1回、もう1回やろうよ！」
『うるっっさ…耳死んじゃう』
「ねーいいでしょ、お願い！もっと戦ろうよ！」
『出たな戦闘狂…今日は終わり、休み時間も終わるし』
「えっもうそんな時間！？」
勢いよく振り向いて校舎に設置された時計を見たかと思えば全身でガッカリを表現するように肩を落とした。
いや動きが毎回激しくないかこの子。
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ユキワラシ(プロフ) - ﾁｬﾝさん» コメありがとうございます！最高だなんて大変励みになります。今後もお楽しみいただけると嬉しいです！ (2023年1月4日 17時) (
レス) id: c5899b6e8a (このIDを非表示/違反報告)
ﾁｬﾝ - 最高ですありがとうございます大好きです！ (2023年1月3日 3時) (レス) @page45 id: 20137c8c3d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ユキワラシ | 作成日時：2022年12月16日 11時
