外へ ページ32
動かない足を何度叩いても、震える手じゃなんにも効果は無いし何度ドアに手をかけても開けられないまま過ごして数時間。
早く行かなきゃと思ってるのに、ペパー君1人じゃ危ないってわかってるのに！
『動いて、動けっ！お願いだから…っ！！』
何度もかけた電話にも出なくて、不安だけが募ってく。
座り込んで腕に爪が食い込むほど握り込む。
私が今までペパー君にどれだけ甘えてきたか、まざまざと突きつけられるみたいだ。
ロトロトロト…ｯﾌﾟﾂ
『！ペパー君…ペパーくん！！大丈夫なの、返事してっ』
「ハァ、ッあーもう、心配しすぎだろ！
…なんかいかけてきてんだよっ」
『心配するに決まってるでしょ！今どこ、何してるの！？』
「……エリアゼロの、第3観測施設の傍。
なんか、見た事もねぇ生きもんがうようよ居るんだ
そんでマフィティフが…っ」
『な、何かあったの？…ペパー君！返事して』
「マフィティフがやられちまったっ…手も足も出なくて
どんどん呼吸も弱くなってきて！」
『！！すぐ行くから、そこから動かないで、隠れてて！！』
絞り出すような声を聞いて、嫌な予感が的中した事に胸の奥がザワついた。
マフィティフがやられたとなるとペパー君は今戦えるポケモンがいない、それに強いポケモンたちが沢山いるって言ってた。
『ストリンダー、モノズ、デルビル。
ペパー君とマフィティフを助けに行くよ！！力を貸して！！』
スマホロトムを切って頬を叩く私に返事をする様にモンスターボールが震える。
動けないなんて言ってられない、私のトラウマなんてどうでもいい！
『ロトム、空飛ぶタクシーを屋上に呼んで！いますぐ！』
「ロトォ！」
何時でも外に出られるようにって着替えを置いてってくれてたお母さんには感謝だな。
手早くパジャマを着替えて、大きめのパーカーを引っ掴んでやや雑に病室のドアを開けた。
思いの外簡単に開いたドアに少し怯んだけど、もう一度頬を叩いて屋上へと走った。
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ユキワラシ(プロフ) - ﾁｬﾝさん» コメありがとうございます！最高だなんて大変励みになります。今後もお楽しみいただけると嬉しいです！ (2023年1月4日 17時) (
レス) id: c5899b6e8a (このIDを非表示/違反報告)
ﾁｬﾝ - 最高ですありがとうございます大好きです！ (2023年1月3日 3時) (レス) @page45 id: 20137c8c3d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ユキワラシ | 作成日時：2022年12月16日 11時
