運命の夜は君と。赤髪の白雪姫オビ

Episode13 ページ15

ＮＯside



オビ「代償…、」


ヒイラギ「そうだ。A、こいつを救いたいならお前が死ななければならない。」


しばらくの沈黙が続き、Aが口を開いた


A「大丈夫。貴方は死なせないから。」


ヒイラギ「馬鹿め。こいつの為に死ぬってのか？」


A「ちがう。」


ヒイラギ「お前が死ぬか、こいつが死ぬかしか選択肢はない。」


A「…っ。」


・


・


オビ「A」


オビはAの頬に触れた


A「…何」


オビ「俺からAに。お願いがあるんだ」


A「…うん」


オビ「この先、どんな運命が待っているとしても。一緒に生きて。」


A「…っ」


オビ「俺の為にあんたが死ぬことは絶対にしないで」


A「でも…私は貴方の未来を見てしまった…。助けられるのは私しか。」


オビはAの頭にポンっと手を乗せて優しく微笑んだ


オビ「俺さ。1ヵ月後に死ぬって言われて…正直すげぇびっくりした。でも、正直。別に何とも思わなかったんだよ。別にいいと思ってた


でもさ、アンタが俺に。俺なんかに生きてほしいって言ってくれて。見えてる世界が変わった。


俺、気づいてなかっただけで。周りには沢山大事にしたいものがあった。


初めてここにいたいって…。思った


アンタのおかげで俺は毎日を大切にできる。


アンタも、俺が大切にしたい1人だ。だから、どんな結末であっても。俺と最後まで生きて欲しい。」


A「…。わかった…だからオビも、絶対に諦めないで」


オビ「わかった」



・


運命は変わらないかもしれない────


でも最後の時まで懸命に生きると誓った彼らの目には


汚れのない光が輝いていた

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