Magic 14 ☆ ページ14
「なんやこいつら、全然減らへん」
チッと舌打ちしながら、湧いて出てくる魔物に最終手段をとるべく杖を上に突き上げる。すると、杖の先端部分にバチバチと音を立てて光り出した。
「ほんまはこれ使いたくないねん、か!」
間抜けそうな顔でこちらを攻撃しようとする魔物の一匹を、電気を帯びた杖で殴る。その瞬間、最初にそれに当たった魔物はすぐに息絶え、近くにいる敵もどんどんと死んでいく。
気がつくとあたりには俺と、少し向こうのほうでどりみーが戦っているのが見えるくらいになっていた。
「やったか…っ」
ヨロヨロする体を必死に足で支える。かろうじて立ててはいるものの、魔力が尽きてしまったために当分攻防どちらもできそうにない。
魔力。魔法を出すための源、エネルギーのことだ。これの上限のうちまではいくらでも魔法を出せるが、これを超えた瞬間、最悪の場合は死に至る。
先程の魔法は俺が使う魔法の中でもかなり上位魔法[電撃]。最初に魔法に触れた奴から近い順に電気が通る。
俺は天使のため、他の奴らに比べたらもちろん魔力は高い。ただ今回の魔法は上位ゆえに消費魔力も多く、あまり使いたくないものではある。
と、その時ふと背後から気配がする。
持っている魔力の量は仲間たちのものではない_____ということは、
「やばいっ…!」
気づいたと同時に右腕に鈍い痛みが走る。
咄嗟に飛び退き距離を取る。また新しいのがここに来たらしい。大きさからして結構強そうだ。
「まずいな…」
唇を強く噛む。今の俺は攻撃もできなければ、ろくに走ることもできない。いわば攻撃され放題というわけだ。しかしこの状況で誰か助けを呼ぶことも少々難しい。
そんなことを考えているうちに相手は左に持つ斧を振り回す準備をしている。どう見てもあれを一発くらえば即死する。
魔物は一歩一歩とこちらに近づいてくる。
あと数秒__数秒耐えれば小さい魔法だが使えるほどの魔力が戻ってくる。
5秒
まだ歩いている。
4秒
斧を構え、
3秒
目の前に立った魔物は斧を振り上げる
2秒
そのまま停止し、
1秒
振り落とす___
ドゴーンという大きな音とともに土煙が舞う。
視界が少しずつ開けてくると、杖の先にぶっ倒れた魔物がいるのが見えた。無事魔力回復が間に合ったみたいだ。
もう一度念入りに見渡し、敵がいないことをチェックする。
「後は頼んだどりみー」
俺は少し休むため、前線からはあまり遠くない近くの森へとゆっくり歩いた。
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メロディ(プロフ) - Arty(もとYngve)さん» お久しぶりです〜!ありがとうございます!そういって頂けて嬉しいです〜!2人で頑張りますのでこれからも度々覗いていただければ嬉しいです! (2019年6月18日 17時) (レス) id: a4970b1a29 (このIDを非表示/違反報告)
Arty(もとYngve)(プロフ) - 久しぶりに拝見させてもらいました! 表現がとてもきれいで参考になります!頑張って下さい! (2019年6月18日 16時) (レス) id: 7260ef769b (このIDを非表示/違反報告)
Arty(もとYngve)(プロフ) - 雪那々さん» いえいえ!そしてまた今回もよかったです!世界観がしっかり表現されていて凄いです! (2019年5月5日 7時) (レス) id: 7260ef769b (このIDを非表示/違反報告)
雪那々(プロフ) - Arty(もとYngve)さん» ありがとうございますー!そう言ってもらえるとすごく嬉しいです…! (2019年5月4日 14時) (レス) id: 6aeb77ce64 (このIDを非表示/違反報告)
Arty(もとYngve)(プロフ) - 今回の更新もまた素敵でした!表現が綺麗でひきこまれました!ありがとうございました! (2019年5月3日 20時) (レス) id: 7260ef769b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:メロディ、雪那々 x他1人 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/merodexi032/
作成日時:2019年5月3日 14時