梅色の声優彼氏さん【梅原裕一郎】

＊過去編〜午後の告白〜 ページ34

梅原さんのことが好きだと気付いて数週間。


この間、特になにもなかった。


なかった…


話す機会もない、話しても恥ずかしくてすぐ話が止まってしまう。


…


脈なしかもしれない。



「あれ」



メールボックスに、この前アニメでお世話になったスタッフさんからのメールが1通入っていた。



『打ち合わせをしたいので午後3時に会議室Aにお願いします』



打ち合わせか…何だろう。



時計は午後2時45分を指していた。



「やばい、急がない…とっ！？」



後ろに梅原さんが立っていた。



梅原「待ち合わせでもしてんの？」



「う、梅原さん…えっと、スタッフさんから会議室Aで打ち合わせがあるって今メールが来て…」



梅原「…そのスタッフさんって男？」




「う、うん…男性スタッフさん…」




梅原「ふーん…あのさ…」




「…っじゃあ急いでるんで、失礼します！」




梅原「あっ……」




梅原さんが何か言いかけたのと私が失礼します、と言ったのはほぼ同じタイミングだった。

とりあえず恥ずかしいし、急がないとだし…


小走りで会議室Aへ向かった。




＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿




会議室Aからは明かりが見えた。


待たせてしまったかもしれない。


あわてて入る。


「すみません、おそくなってしまって」


スタッフ「い、いや、大丈夫…来てくれてありがとう」



「？打ち合わせなのでは……？」



スタッフ「ご、ごめん。実は嘘ついてた。個人的に、大事な話があって」



「大事な話……？」



スタッフ「えっと…その…ずっと前から佐藤さんのこと、いいなって思ってました…つ、付き合っていただけないでしょうか…！」


「えっ」


突然の告白だった。

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