梅色の声優彼氏さん【梅原裕一郎】

＊過去編〜やきもちside梅原〜 ページ33

アフレコが終わり、みんなと別れてスタジオを出る。


さっきの出来事を思い出していた。



Aが壮馬くんにクッキーを食べさせようとしたのを強引に止めた。



なにしてんの、俺。



なんでそんなことした？



壮馬くんとAは仲が良くて、その延長線でお互いにお菓子を交換していただけなのに。



強引に止めるような危険なことでもないのに。



ふと西山が言っていた言葉を思い出す。



西山『それが好きっていう感情だよ！？』



…好きだから。



好きだから強引に止めた。



あー、そっか。



梅原「……嫉妬か、これ」




斉藤「何が？」



梅原「うわあああああ！？」



斉藤「うわあああああ、何、話しかけただけじゃん」



梅原「背後からは驚くだろ、あー心臓止まるかと思った」



斉藤「で？嫉妬ってなに？」



聞かれてた。



梅原「……べつに」



斉藤「Aちゃんのこと？」



バレてた。



梅原「……そう、です」



斉藤「なんで敬語なのwで？Aちゃんが好きなんだよね？」



梅原「はー…どうやらそうらしい」



斉藤「やっと認めたー、よかったー。どうする？告っちゃう？」



梅原「できるわけないだろ告白とか……」



そんな学生みたいなこと。



斉藤「しないならいいけどねー、俺がAちゃんのこと貰っちゃうから」



梅原「えっ」



斉藤「なんにせよ、Aちゃん美人さんだしすぐに彼氏とかできちゃうよ？がんばってー」



梅原「えっ、壮馬く…」



壮馬くんは、そう言い残すと走って行ってしまった。



Aは、美人だから、すぐ彼氏が……




＿＿＿＿＿そんなの嫌だ、と強く思った。

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