梅色の声優彼氏さん【梅原裕一郎】

佐藤、困惑中 ページ25

しらいむ先輩を待つこと15分。
嘘です。時間なんて見てないので腹時計計算です。



白井「おまたせ」



「あ、いいの買えました？」



白井「買えたつもりだけど、どうだろうね」



「ていうか、そもそもその女性って誰なんです？彼女でもできたんですか？」




白井「ちっげーわ、目つぶっとけ」




「え、は、はい」




白井「＿＿＿＿＿はい、似合ってる」




「＿＿＿＿＿はい？」




あわててスマホを出してカメラで確認すると、なにもなかったはずの前髪に、ヘアピンが付いていた。
小さめの白いリボンに金色の本体が可愛い。



「え、このピン、どうして私に」




白井「もとからAの欲しいもの買うつもりでさそったんだよ」




「え、誕生日じゃないですよ？」




白井「そうじゃなくて！……あのー、この前のイベント終わりにさ、その……変なこと言ったじゃん」




「＿＿＿＿＿あ。今夜俺とする？のアレですね」




白井「そこ、思い出させるな！！」



「そのお詫び、ってことですか？」



白井「……悪いかよ」



しらいむ先輩は、変なことを言って困らせたお詫びに、女性の欲しいものがわからないからという口実で私の欲しいものを聞き出してプレゼントしてくれた、ということか。



…




イケメンかよ。





「しっ、しらいむ先輩超イケメソですね、見直しました」




白井「…こっちこそ変なこと言って悪かった」




「えへへ、優しいところあるんですねー、しらいむ先輩モテそうですね」




白井「モテてたら女性へのプレゼントで悩んだりしないから」




それは確かに。



白井「あのさ、ちょっとは否定して？」


＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿


「ただいまー」




梅原「おかえり、今日早いね」



「本当はもっと早いはずだったんだよ、しらいむ先輩と買い物行ったんだー、ヘアピン貰っちゃった」




梅原「ふーん」



梅原は私の頭についたヘアピンをまじまじ見た。



「え、なに」



梅原「俺ならもっと似合うヘアピン選べるね」



「その自信はどこから来るのかね」

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