梅色の声優彼氏さん【梅原裕一郎】

佐藤は一戦交えたい ページ17

変態、しらいむ先輩に別れを告げ、会場を後にする。



家に着くと、梅原が待っていた。

梅原「おかえり」


「ただいま…」


梅原「ご飯作っといた、あっためて食べて」



「ありがと」



頭の中でしらいむ先輩の言葉が響く。



『梅ちゃんもしたいって思ってるだろ』



思ってるのかな。



梅原はイケメンで、性格もよくて、仕事もちゃんとしてる。


私は釣り合っているのだろうか。



簡単にいうと、


私は梅原に似合う彼女なのだろうかという「不安」。


私は梅原になーんもされてない魅力のない女なのかという「不満」。


その両方がある。


付き合ってしばらくしたころ、そういう雰囲気になった時、「怖いからもうすこし待ってほしい」と言ってしまったのが原因なのだけれど。
そのとき以来、梅原がそういう方向に持っていくことはなくなった。


私のせいだと反省しつつ、キスとか、少しくらいそういうことをしてくれてもよくないかと矛盾した考えを持っている。


梅原「……A？」



「え？あ、ごめん、なに？」




梅原「なんかあっただろ」




「な、なんも、ない」



梅原「嘘つく時の癖だよ、髪の毛触るの」



おっと、バレてた。




「いや、ちょっとね」




梅原「話してくれないの？」



話せないわけじゃない。けど。



「いや、話しにくい、かなぁ」




梅原「……そっか」




「そんなことよりさ、来週のデート…」




口が塞がった。



口が口で塞がれた。




梅原「＿＿＿＿＿＿よくわかんないけど、元気でた？」




「＿＿＿＿＿＿う、うるさい」




梅原「顔赤いよ」




「ナッテマセン」




梅原「なってるってwそれで？デートどうする？」




「……どこでも。」




口が回らなくてそれ以上なにも喋れなかった。

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