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太宰side
「…………」
それから私は黙々とパンを食べる。
どのパンも物凄く美味しい。
彼女はそんな私をただじっと見詰めていて、少し気恥ずかしかった。
…と思えば、突然彼女は口を開いた。
『…君はどうして行き倒れてたの?』
「…………………え?」
『?なんで行き倒れてたのか、って』
私は数秒固まっていた。
…行き倒れ?
え?行き倒れ?YUKIDAORE?
…こんな時代に?????
あぁ私が……お腹を空かせて倒れてたから………
唐突に理解すると共に私は「ぷっ」と吹き出した。
「あっははははは、面白いねぇ君!
残念ながらこれは自 殺に失敗しただけさ」
『…?じ…さつ………
よく分かんないけどそうなんだ、良いと思う(?)』
………自 殺の意味も知らないのか。
私は彼女のスーツをちらりと見る。
…微かに赤黒く染みが付いているスーツを。
私は小さく微笑んだ。
________ポートマフィアの人間の癖にここまで無知だとは。
初めて見るタイプの面白い女の子だ。その純粋な心をぐちゃぐちゃに汚してみたくてしょうがない。
裏社会で生きてきた私に女なんて数え切れない程周りにいた。
でもこの子はまた違う感じがする。
「…………面白くなりそうだ」
呟いたその声は誰に届くこともなかった。
ーーーーーーーーーーーーーーー
それから仲良くなった彼女に
『なんかね〜!素敵な帽子を被った面白い友達がいてね!
その子が捨てられた猫に毎日ミルクをあげに行ってたんだよ〜!
可愛いよね!弟にしたい!!』
などと話され、「これ絶対中也じゃん、え?中也そんな事してたの?」と不快感を抱えつつ[今月の負け惜しみ中也]のネタにリストアップしておいた。
数十分後、彼女と首領室に行くことになったので「丁度いい、連れていって貰おう」と思い私は今彼女に引きずられながらパンを食べている。
他から見たらとてもシュールな絵面である。
彼女に「ねぇそろそろ歩かない?」
「ヘイyou!チョット歩イテミナーイ!?」などと言われたが無視しながらただパンを食べていた。
そうしている内にさほど時間がかからずポートマフィア本部へ着いた。
「ふぅ、やっと着いたね!長かったね!」
『ぜぇっ…人の気も知らないで…ぜぇっ……』
______この時私は気付かなかった。
…まさか私が食べたパンが入っていた紙袋に[エリス嬢用]と書かれていたなんて_______。
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檸檬の奇声 - この作品めちゃめちゃ面白いっすね。文才凄いし、めちゃめちゃ好きです!リクエストいいですか?えっと、夢主ちゃんとエリス嬢のふわふわしたお話を書いてもらえないでしょうか?それっぽいのでも全然OKです。お願いします。更新頑張って下さい!長文失礼しました。 (2023年4月7日 7時) (レス) @page18 id: 747b96ead4 (このIDを非表示/違反報告)
めろ。(プロフ) - hikageさん» わ〜!!ぜひぜひこんな作品で良ければ!!! (2023年2月27日 21時) (レス) id: 8e324f8e54 (このIDを非表示/違反報告)
hikage(プロフ) - 誤字です。(言葉の使い方怪しいです(>_<)長文失礼しました。)) (2023年2月19日 23時) (レス) @page1 id: 7b939c23ea (このIDを非表示/違反報告)
hikage(プロフ) - この作品を参考に作品を作ってもよろしいでしょうか?クッキーを題材に文ストを作りたかったんです!めろ。さんの作品はいつに増してもいいものです♪(言葉の使い方怪しいので長文失礼しました。) (2023年2月19日 23時) (レス) @page1 id: 7b939c23ea (このIDを非表示/違反報告)
眠いちゃん - 続き待ってます!✨ 面白いです! (2023年2月17日 21時) (レス) @page18 id: acdc06f415 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:めろ。 | 作成日時:2022年9月24日 18時