パン渡したら懐かれた。【文スト】【太宰治】

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夢主side








『へぇ…そっか君が……』








私はこの太宰という青年と偶然職場が同じだった上に上司だった事に驚きつつもぱくぱくとパンを食べる。






あれから数十分、私は太宰君に友達の素敵な帽子を被った男の子の話を聞かせたり、



何故かその度に太宰君が苦虫を噛み潰したかのような顔をしたり、、






、、、と、楽しく(？)お話をした。




しばらくして太宰くんは恐らく3個目のパンを手に取ってから気怠そうに立ち上がった。







太「あぁ……これから森さんの所に行かないといけないし自 殺しちゃったしまた怒られる……あ、これ貰ってくね」








『うん許可の取り方って知ってる？
まあいいでしょう、行ってらっしゃ……






………待って！？！？』






太「ん？どしたの」




『………まずい……
……エリス嬢との約束忘れてた…』





あーこれはまずい。
エリス嬢が怒るとめんどくさ……かなりまずい。






『…よーしと云う訳で太宰君、一緒に行こうか』





太「うわっ」






私は太宰君の腕と２つの紙袋をがしっと掴んで早足で歩き出す。







太「ねぇ、ちょっと速いのだけど
スピード落としてくんない？」






『いやいやいや遅れるから！！
太宰君も招集されてるんでしよ！？』






そうして私は太宰くんを連れて全速力で走り出した。



ーーーーーーーーーー




太「ふぅ、やっと着いたね！
長かったね！」






『ぜぇっ…人のっ……苦労も……知らなっ……ぜぇっ…』





こうして私達は漸くポートマフィアの首領室前に着いた。








て云うかもはや太宰君引きずられてたけど。





私は暫く息を整えてから重厚な扉をゆっくりと開いた。









『失礼します！！！！有田です！！！！
ごめんなさいエリス嬢！！！！
遅れてしまいまして！！！』







私が大きな声でそう云うと床でお絵描きしていたエリス嬢がばっ、と此方を見た。






エ「もう！遅いわよA！私待ちくたびれちゃった！！」





『うぅ…すみませんすみません…
でもちゃんと持って来ましたよ！パン！』






エ「！」






エリス嬢は目を輝かせながら私を見上げる。






私は「ふっ、ちょろいな」と思いながら頷いて紙袋を漁った。






『…………あれ？』




……パンが無い。






もう一度漁る。






………無い！？！？






『！？パンがない！？』








エ「！？無いの！？！？」






…この時の私はショックで気付けませんでした。









______太宰君が「あ、やべ。」といった顔をしていた事に。

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