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Noside
『えっ…と〜…
大丈夫?』
Aは近くにあった木の棒でつんつんと青年を突いてみる。
それでも青年は微塵も動かない。
『えっ……えぇ………』
混乱したAは状況整理の為に辺りを見回す。
木の近くに落ちた、切れたロープ。
そして一言を発したまま動かずに倒れている包帯だらけの青年。
『……まさか』
Aは一つの結論を叩き出した。
_________行き倒れ!?※違います
『わわわ……!?君!!大丈夫!?
パン食べる!?』
Aが「パン」という言葉を発した瞬間、青年はぴくりと反応した後にぐううううう…とお腹を鳴らした。
『ほらやっぱり!!これ食べて!!!』
Aが倒れたままの青年にぐいぐいとパンを差し出すと、青年はうっすら目を開いてパンを覚束ない手で掴み、そのままちょび、とかじった。
「……!!!」
青年は目を見開く。
その目はきらきらと輝いていた。
「……美味しい!」
青年はまるで宝物を見つけたかのような輝いた表情でこちらを見る。
『…え、ほんと?
ふふ、それは良かった』
それからは黙々とパンを食べる青年にAは何か話したいなぁ、と考える。
『…君はどうして行き倒れてたの?』
「…………え?」
青年はパンを食べる手を止め、それから有り得ない物を見るような目でAを見る。
『ん?どうして此処に行き倒れてたのか、って』
「行き………倒れ…………?」
『うん』
数秒ぽかんとしていた青年は「ぷっ」と吹き出した。
「あっはははははは!!!
君、面白いねぇ
残念ながらこれは自 殺に失敗しただけさ」
青年がけらけらと笑いながらそう答えるとAは首を傾げた。
『じ…さつ…?
よく分かんないけどそうなんだ……良いと思う(?)』
Aが頭に疑問符を浮かべていると、青年はAの方を見て微笑んでいた。
「……ところで君の名前は?」
青年がそう云うとAははっとする。
『ごめんごめん、そういえば自己紹介がまだだったね
私の名前はA!有田Aだよ!
好きに呼んでくれていいからね!
それじゃ逆に君の名前は?』
「私は太宰………太宰治、だ」
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檸檬の奇声 - この作品めちゃめちゃ面白いっすね。文才凄いし、めちゃめちゃ好きです!リクエストいいですか?えっと、夢主ちゃんとエリス嬢のふわふわしたお話を書いてもらえないでしょうか?それっぽいのでも全然OKです。お願いします。更新頑張って下さい!長文失礼しました。 (2023年4月7日 7時) (レス) @page18 id: 747b96ead4 (このIDを非表示/違反報告)
めろ。(プロフ) - hikageさん» わ〜!!ぜひぜひこんな作品で良ければ!!! (2023年2月27日 21時) (レス) id: 8e324f8e54 (このIDを非表示/違反報告)
hikage(プロフ) - 誤字です。(言葉の使い方怪しいです(>_<)長文失礼しました。)) (2023年2月19日 23時) (レス) @page1 id: 7b939c23ea (このIDを非表示/違反報告)
hikage(プロフ) - この作品を参考に作品を作ってもよろしいでしょうか?クッキーを題材に文ストを作りたかったんです!めろ。さんの作品はいつに増してもいいものです♪(言葉の使い方怪しいので長文失礼しました。) (2023年2月19日 23時) (レス) @page1 id: 7b939c23ea (このIDを非表示/違反報告)
眠いちゃん - 続き待ってます!✨ 面白いです! (2023年2月17日 21時) (レス) @page18 id: acdc06f415 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:めろ。 | 作成日時:2022年9月24日 18時