出会い(4) ページ6
名前を聞いてから、人見知りする俺にしては かなり距離が縮まった。
女優さん相手でもここまで話したりしない、
笑顔を向けて、口を大きく開けて笑い合ったりしない、
___どうしてAには、ここまで心を開けたんだろう。
それは…俺がまだ知らない君の中の、1つの能力だったんだ。
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涼介「Aって どこに住んでんの?」
A「…ん、と…近所だよ。」
涼介「へぇー、いいな。
こんなに綺麗な海が近くにあるなんて。」
そうだね、と、Aは笑いながら答えた。
さっきから…ずっと気になっていたことがある。
Aのことを、プライベートのことを聞くと
Aの返答には必ず時間がかかっていた。
自分のことがそんなに思い出せないのかな?
それとも日本語が分からないとか?
なんかハーフっぽいしね。
涼介「ね…連絡先、交換しない?」
A「連…絡先…。」
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連絡先を聞くと、Aは固まってしまった。
…まだ聞くのは早かったかな。
でもそろそろ泊まる場所探さないと、野宿になっちゃうし…
女の子だから早めに帰さなきゃダメじゃん?
明日も明後日も…会いたいし。
A「ご、めん…私、それ持ってない…。」
涼介「え、これ?携帯?」
A「うん…。」
俺が持ってた携帯を、細い指で指差すA。
さすがにこれには驚いたな…、Aの年齢で持ってないのはね。
涼介「じゃあさ…明日もここ来るから、来てくれる?」
A「うん…いいよ。」
涼介「やった…っ、じゃあ…また明日ね。」
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立ち上がって、ズボンについた砂を取り払う。
俺が立つと、君も真っ白なワンピースを揺らしながら立ち上がった。
砂を取り払ってたけど、少しだけ砂残ってるんだよね…。
言った方がいいかな?それとも取った方がいい?
いや…太ももだし、さすがに触れないか…。
涼介「A…砂付いてるよ。」
A「え?どこ?」
涼介「後ろ、太もも…とか?」
A「えー、分かりにくい(笑)」
ワンピースをヒラヒラと靡かせながら、君は笑ってクルクルと回り出した。
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kaori asa(プロフ) - 最高ーっ!です。気付いたらタオル握り締めて画面を必死にスクロールしてました。ありがとうございました。 (2019年9月24日 6時) (レス) id: 89ca319f3b (このIDを非表示/違反報告)
KNN☆(プロフ) - なんでだろう。目から雫が落ちてくる...夢主ちゃん可哀想だけど、なんだか、表現しきれないぐらいの想いを持って死んだのかなって思った、これからの続編みたいなやつ書いたら面白いと思います。とても面白かったです。 (2018年7月17日 20時) (レス) id: b591646d2a (このIDを非表示/違反報告)
rhythm♪ - 泣きました!とても感動しました!!くるすけさんの作品とっても大好きです。これからも頑張ってください!!応援してます!! (2018年2月9日 15時) (レス) id: d0ee879122 (このIDを非表示/違反報告)
さな(プロフ) - この作品何回も繰り返し読んでいるんですけども、本当にいいお話で、毎回毎回涙してます!! この人魚の生まれ変わりとかの話って書いてくれたりしませんか?? くる助さんのお話大好きです。これからも応援してます!! (2018年1月19日 23時) (レス) id: 7ce3edd3fa (このIDを非表示/違反報告)
涙もろ子さん - 涙が止まりません ほんっとに涙が止まりません…。これからも作品作り続けて下さい! (2017年10月9日 1時) (レス) id: 2bf35c0a63 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:♪くるすけ♪ | 作成日時:2017年6月5日 20時