Sweetheart is Mermaid＊Ryosuke

過去と現在(1) ページ18

Aside








この世界に生まれついて…もう、何年…何百年経ったかなんて数えられない、覚えてない。

唯一覚えてる記憶と言えば、嫌な記憶ばかり。









昔からいた恋人達、

恋人にはならなくても、私に告白してきた人達のこと。









男の人と付き合って、いいことなんて一つもなかった、

悲しくて
辛くて
苦しくて

痛みばかりを感じる。









全然楽しくない人生だ。









終わらせたくても…どんなに死にたくても、死ねないの、

何度だって思ったよ、"どうして人間じゃないの"って、

"どうして私を人魚にしたの"って、









だけどそんな事 考え出したらキリがなかった。









・









・









・
毎晩、月を見る度に思い出す。

毎晩、眠りにつく度に思い出す。









私の目の前から…大好きだった人が消えていくのを。









少しずつ歳をとって、見た目も変わり、腰が曲がっていくのを何度も見る。

目の前で息を引き取った人なんて何度も見てきた。









だけど、それは、私の正体を知らないままだった人達。









私が人魚だと知った人達は…見た目も変わらないまま、私の前から姿を消したの。

二度と姿を見せることは無かった。









何が悪いの？

私が悪かったの？









人魚だから？

人間じゃないから？









それくらい…自分でも分かってるよ。









・









・









・
私の姿を…人魚になった自分を

愛する人達に見せる度に

全員が全員、同じ言葉を私にぶつけた。









” 化け物っ…！ “

” 気持ちわる… “

” 妖怪とは無理だわ… “









最初は、何度も何度も泣いた。泣き叫んだ。









心をえぐられて、ズタズタに、ボロボロになるまで

傷付けられて、潰され続けた。









私を愛してくれた人達の中には、そんな酷い言葉をぶつける人もいれば

石やゴミを投げつけてくる人もいた

物珍しかったのか、私のことを見せ物にする人もいた

どこかの怪しい人に売ろうとしたのか、誘拐されそうにもなった。









それからだ…









” もう…誰も信じない “









そう思い始めたのは。









・









・









・
そして、、人と会わなくなって10年以上経ち、私は海で溺れていた人間を助けた。







その人が…私のことを変えてくれた＿＿＿






・

過去と現在(2)→←キミの本当の姿(4)

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す