もうひとつの関西ダービー

遊び場 ページ3

この整形外科にはよくプロアスリートが来る。陸上選手や水泳の選手などなど。

だから野球選手も例外ではないのだ。




「おはようございま〜す、あれ、A？どこー？」


「もう、また来たの？」




そう、日本のエース、山本由伸。シーズン中でもお構い無しに遊び感覚で整形外科で来る野球選手。それをOKとしているこの病院もどうかと思うけど。

しかし、"全ての人に快適な空間を"がポリシーのこの整形外科には通用しないことの一つや二つあるであろう。




「由伸さんだけじゃないんですけど、」


「その声は、宮城くん？」

「僕も今日何も無かったので！」





「おーい、Aちゃん、リハビリよろしく〜」

「あ、はーい！」



医院長の西原(ｻｲﾊﾗ)さん。西原さんは人がよく、のんびりした性格で患者さんからの評価も高い。


「リハビリでお待ちの…才木さ〜ん、1番のベッドです‪💢」


「はーい笑」




才木め。カルテを見ると、ちゃっかり腕の診察を受けて、急遽リハビリのところに丸がついてある。西原さんもよくこれを良しとするものだ。人がよすぎる。



「腕の調子どう？もうなんともない？」


「うん、」


1番ベットはVIP室にあり、プロアスリートをリハビリする時に使用する。この部屋には色々な道具が置いてあって、野球選手が遊びに来る時は大体ここで話しをしている。


「あぁー、そこ気持ち良い、」


「凝ってるねぇ、私が前言ったストレッチやってないでしょ」

「え、あ、…」

「A、責めるのは良くないで」

「うるさいっ、遊びに来てる由伸にだけは言われたくない！」




今日のVIP室はいつもと変わらず賑やかです。

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