【銀魂】真選組監察方の紅一点②【山崎退成り代わり】 (ページ49)

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星空と花火と告白と⑥ ページ49

『……万斉のことも教えてよ』

話せる範囲で構わないから。

「拙者の？」

私の呟きを拾った万斉が、少し驚いた様子で私を見つめる。

何？別に聞いちゃダメじゃないでしょ？

『旋律とか音がどうのっていつも言ってるじゃない？』

あれってどういうこと？

と思い切って聞いてみる。

答えてくれないかと思ったけど、案外ちゃんと答えてくれた。

「拙者には、他人の魂の鼓動(リズム)が聞こえるのでござるよ」

それは人の心の動きのことであり、

音は旋律、つまりメロディを奏で、更にそれが歌となって聞こえる。

…ということらしい。

私には、ちょっとよくわからない領域の話だ。

「A殿の音は、鈴のような風鈴のような、涼やかだが凛としていて不思議と耳に馴染む綺麗な音色で…聞いていて心地よいでござるよ」

『へ、へぇ～』

うん……なんか、恥ずかしいんだが！？

「楽しそうな時や嬉しそうな時は音が弾んで聞こえてくるので、すぐわかるでござる」

今も時折弾んで聞こえるでござるよ。

ちょっと待って！？自分でも自覚してなかったことを言われると、めちゃくちゃ恥ずかしいんだけど！？

「そうでござるな…歌に例えるなら……」

『わ、わかったから！』

もう十分なんで！恥ずかしいからストップ！！

と私は慌てて万斉を手で制した。

私、そういえばコイツのこと、殆ど知らないや…

鬼兵隊のNo.2で、人斬りと呼ばれていて…
それから、高杉が鬼兵隊を再結成した際に加わったらしいことはわかっている。…少し調べたから。

「A殿は拙者のことを知りたいと申したな？」

『…うん』

「全てを話すのは、今は少々難しいが…これだけは言えるでござる」

今の自分が在るのは、1人の男に出会ったことがきっかけだ、と。

名を言われなくても、それが誰なのかくらい私にも予想がつく。

『(……高杉晋助か…)』

彼らにどんな出会いがあったのか、私は知らない。

知らなくて、いいと思っていた。

その後も私たちは映画の話も交えながら、お互いの誕生日の話とか趣味の話とか、とりとめのない会話をした。

ふと、ぼんやりと思う。

『(お家デートってこんな感じだろうか…)』

って、イヤイヤイヤ！？

何言ってるんだ私。

だいたいココ、船の上だし。