【銀魂】真選組監察方の紅一点②【山崎退成り代わり】 (ページ14)

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メイドだって戦えるページ14

散々叫んで、ちょっと疲れた…走ったし。

「A殿」

『……何？』

万斉にいつもより低い声で名前を呼ばれて、怪訝な顔を向ける。

「白夜叉とは、どういう関係でござるか」

『えっ？』

別に、万事屋の旦那とは甘いものが好きという共通点があって、たまにスイーツの情報を交換するくらいだけど…

『万斉…怒ってる…？』

怒っているというか、殺気がすごい。
私にじゃなくて、私の隣にいる天パ男に向けてだけど。

「ねえちょっとお前らの痴話喧嘩に銀さんを巻き込むのやめてくんない？」

痴話喧嘩じゃないし！と否定しようとした声を、大きな叫び声が遮った。

「ひったくりだーーっ」

「誰か捕まえてくれーっ！！」

『！？』

声のしたほうを見ると、犯人らしき男が通行人のカバンを奪って走っていた。
小刀を所持しているのか、道行く人々が悲鳴をあげて道を開けている。

その先にはバイクに乗った2人組の男。
チッ…複数犯か…

通行人が脇に避けてくれているのは幸いだった。
これなら、一般人に当たる心配もない。

私は取り出した苦無を数本構え、男めがけて投げる。

「ギャッ！？」

後ろから飛んできた苦無が顔の横を掠めて、男は叫んでコチラを振り返った。

『チッ…掠っただけか…』

今度は脚のホルスターから小さめのナイフを取り出して、更にいつも護身用に持ち歩いている懐刀を構える。

その様子を見ていた万事屋の旦那が驚いたように言った。

「お前いったい幾つ武器仕込んでんの！？」
忍者！？ニンジャなの！？

『そんなことより手伝って！』

私はそう叫ぶと、犯人に向かって駆け出して行く。

「私も行くヨ！」
と神楽ちゃんがついて来てくれた。

うわ、頼もしい！さすが神楽ちゃん！
それに比べて男共は何してるんだか…

「な、なんでメイドとチャイナ娘がっ…」
と叫ぶ犯人に立ち向かって行く私と神楽ちゃんの後ろで、

「俺ら必要なくね？」

「………そうですね」

という2人の呟きが聞こえた。