【銀魂】真選組監察方の紅一点【山崎退成り代わり】 (ページ43)

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あんぱん捕物帳＊おまけページ43

※土方さん視点。

Aが駆け出して行った後、

「(アイツ、只者じゃねェな……何者だ？)」

自分にだけ、殺気を向けてきたウサギ頭の男を土方は鋭く睨んだ。

当のウサギ頭は(被り物で表情はわからないが)、彼女に握られた両手を感慨深く見つめている。

少なくとも、一般人ではない。

徒党を組んでいたならず者を、Aも居たとはいえ一網打尽にするなんて、一般人にできる芸当じゃない。

明らかに、剣術武術に覚えがある人物だ。

しかも、いつの間にか彼女と仲良くなっている様子だった。

お隣さんだか何だか知らんが、馴れ馴れしく名前呼びやがって…
と、土方は思考を巡らせる。

「チッ…気に入らねェ…」

『え？何か言いました？』

土方の元へ戻って来たAが首をかしげる。

『というか、土方さんやっぱり怒ってるじゃないですかーっ』

せっかく私のお手柄なのに…

と口を尖らせるAに、そう言えば彼女を褒めてやろうと思っていたんだった…と土方は思い出す。

「あー…悪ィ。今度、焼肉奢ってやるよ」

『本当ですか！？約束ですからね！』

何食べようかな～タン塩、カルビ、ハラミ、ホルモン～
嬉しそうに隣で焼肉のメニューを唱え始めるAの頭を、ポンポン撫でる。

また後ろから殺気が漂ってくる気がするが、気にしない。

「(そういやAの奴…)」

張り込み調査後は、長期だったり偏食のせいもあって若干やつれていることが多いのに、今回は元気そうだ。

と、土方は彼女を眺める。

『お隣さんにはすごくお世話になったんですよ』

と電話越しに言っていたから、十中八九あのウサギ頭が関わっているんだろう。

「やっぱり気に入らねェ…」

後ろから未だ漂って来る殺気を振り払うように、土方はタバコに火をつけて呟いた。