検索窓
今日:1 hit、昨日:35 hit、合計:55,620 hit

あんぱん捕物帳*其ノ一 ページ36

楢崎幸に声をかけられたその日の夜、ふと万斉が呟いた。

「A殿、妙だとは思わんか?」

隣で窓辺に腰掛けて向かいの様子を伺っている万斉は、ヘッドホンにサングラスといつも通りの格好だ。

うん。こっちのほうがコイツらしい。

でも、夜だけどグラサンかけてて外見えてんのかな?

最近は万斉が料理を差し入れに来て、
そのまま2人で居酒屋内の監視をしているので、隣に居ても驚かないし突っ込まない。

慣れとは恐ろしいものである。

『妙…?』

そう言われて、私は日中からの楢崎幸の行動を思い返して見る。

彼女は、毎日毎日毎日同じように暮らしている。
それはもう、奇妙なくらいに完璧に。

凶悪犯の弟が居ることすら感じさせない。
弟の存在に怯えるでもなく、悪行に走った弟を心配するでもなく、また、それを悲しむ素振りさえ見せない。

確かに、彼女がそういう人間なのだと言われてしまえば、それまでかもしれないが…

『あ…』

ある事に気がついて、私は口を開いた。
そう、彼女の立ち振る舞いはあまりにも"完璧すぎる"のだ。

「それに、あの居酒屋の客たち…」
近所の馴染みの客ばかりだと思っていたが…

と、居酒屋内の客を見やる万斉の視線を私も追う。

『同じ常連客ばっかり…?』

この近所には暮らしていない、けれども毎日のように来ている常連客が多い。

最初は、彼女の人柄とかそういったものに惹かれて集まった客たちだと思っていたが…

いくら常連客とはいえ、こうも毎日同じ時間帯に同じ人物が集うものだろうか?

しかも皆やたらとイカつい風体の男ばかり。

調べてみる必要あり、か。

『ちょうど、お誘いも受けたことだしね』

あんぱん捕物帳*其ノ二→←あんぱん捕物帳*序章



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (43 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
52人がお気に入り
設定タグ:銀魂 , 成り代わり , 女主
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

ひゅーまん - 山崎退は出てこないんですか? (3月31日 19時) (レス) @page10 id: 5c08d5ef79 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:めぐりずむ | 作成日時:2021年7月21日 17時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。