【銀魂】真選組監察方の紅一点【山崎退成り代わり】 (ページ20)

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※ただしイケメンに限るページ20

なんかもうずっと、目の前の男にペースを乱されっぱなしだ。

私は頭を抱える。

とりあえずわかったのは、今のところ万斉は私と戦う気はないということ。

それから、どこまで本気か知らないが、私に好意を寄せているらしい…ということだ。

なんでそんな自信なさげなのかって？
だって私だぞ？

自分で言いたくないけど、地味女とか言われてる私だぞ？
何かの間違いじゃね？って思うのが妥当だ。

真選組の情報を得るのに、あえて私に近づいたと考えたほうがしっくり来る。

「名残惜しいが、拙者もそろそろ行かねばな」

その声に顔をあげると、万斉は落ちていたサングラスを拾い上げていた。

『あ、ちょっ…』

普通に帰るのを見送りそうになって、本来の目的を思い出す。

今日、私はここに鬼兵隊の情報を探りに来たんだった。

せめて、この場所で何を話し合うつもりだったのかを聞き出せたら…

と思っていたのにーー

「A殿、また会おう」

万斉は私の手を取って、その手の甲にキスすると、窓から飛び降りて行ってしまった。

…どこの王子様だよ！
これだからイケメンは…っ

じゃなくて！

『逃げられた…』

あっという間に姿を消してしまい、呆然とする。

『土方さんたちに何て説明しよう…』

敵とお喋りしてたら、その仲間に逃げられちゃいました～！あはは！とか言ったら絶対粛清されそうだ。

とりあえず、ここの旅籠屋の店主は鬼兵隊…少なくとも攘夷浪士との繋がりがあるってことはわかったけど…

今日、ここに来ているのは私1人だけ。
敵側に私の存在が知られている以上、深追いは禁物だ。

1人で大丈夫です！
とか自信満々に言わなきゃ良かった…

過去の私バカじゃん…

正直に、万斉が出てきて邪魔されたって言おうかな…(邪魔されたのは事実だ。嘘は言ってない)

『また会おうって…』

私は先程キスされた手の甲を見つめた。

そう易々と会いに来れるような組織じゃないだろ鬼兵隊…
まあ、真選組もそれは同じか…

『(あれ？私、またアイツに会いたいって思ってるってこと？)』

イヤイヤイヤイヤ！？

『そんな訳あってたまるかァァァ！！』

私は旅籠屋から飛び出すと、雑念を振り払うように屯所に向かって走り出したのだった。