酒は飲んでも飲まれるな�� ページ5
Aが指さした先には、
デザートで運ばれてきたフルーツの盛り合わせが置いてある。
まあ、人も少なくなったし、この距離なら大丈夫だろう…
と、手を離したのが良くなかった。
『あ、白澤君だぁ〜』
彼女がへべれけになっていた白澤を発見して、そのまま抱きついたのだ。
「えっ！？」
抱きつかれた白澤のほうは、驚きつつも頬を緩ませる。
何コレ夢？あ、めっちゃ良い匂いがする…
『白澤君も一緒に飲もう〜』
抱きついたままへにゃっと笑いかけてくるAも結構飲んでいたはずなのに、全然お酒臭くない。
「(Aちゃんって酔うとこんな風になるんだな…)」
と、白澤から彼女に触れようとした時だった。
何かが弾丸の如く飛んできて、白澤の額(目のある部分)に命中した。
「ぎゃっ！？」
床に倒れた白澤は、目がァァァ！！と、どこぞの大佐よろしく叫んでのたうち回っている。
……何か飛んできたな……
と、飲みすぎて横になっていた桃太郎は、倒れた白澤の横に転がっているものを見つけた。
一升瓶の蓋。絶対アレだ。
『あれ？白澤君、大丈夫〜？』
ぺたぺたとAがひっくり返った白澤の額を触って心配してくれている。
「(あ、コレはこれで悪くないかも…)」
と思っていた白澤の顔面に向かって、今度は陶器製の灰皿(未使用)が落ちてきた。
「！？」
間一髪、転がって避けると「チッ」と舌打ちが聞こえた。
「すみません手が滑りまして」
何をどうしたら手が滑って灰皿を人の顔面めがけて落とすんだよ！！
という白澤の叫びは綺麗に無視され、鬼灯はAを小脇に抱えてその場から離れた。
「貴女は毎度毎度…誰彼構わず抱きつかないで下さい」
元居た席に戻ると、さらに目の前にAを座らせた。お説教タイムである。
『どうして？』
「……私が心中穏やかではないので」
首をかしげる彼女の肩を両手で掴んで、そう告げる。
『鬼灯君…怒ってる？』
「ええ、どこかの誰かさんが言うことを聞いてくれないのでね」
貴女のことですよ…！
と鬼灯は内心叫んだが、対するAは目をパチパチさせるばかりで多分わかっていない。
悲しいかな、酔っ払った彼女には通用しないのだ。
またお酒に手が伸びそうになっているAを制して、
「もうお酒はダメです。貴女はこっち」
『まだ飲めるもん…』
そんな可愛く言ってもダメです。
と、鬼灯はAからお酒を没収すると、水のコップを渡した。
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めぐりずむ(プロフ) - 愛梨さん» コメントありがとうございます！！今後も頑張って更新していきますので、これからも読んで下さると嬉しいです！！ (2021年8月28日 22時) (
レス) id: ef3bd6ce41 (このIDを非表示/違反報告)
愛梨(プロフ) - 鬼灯の冷徹が好きで探してたら作品を見つけて一気に見ちゃいました！！すごく良いと思います！！更新待ってます！！ (2021年8月27日 19時) (レス) id: f200af67bb (このIDを非表示/違反報告)
めぐりずむ(プロフ) - 水傘るんさん» コメントありがとうございます！励みになりますー！ (2021年7月26日 20時) (レス) id: ef3bd6ce41 (このIDを非表示/違反報告)
水傘るん(プロフ) - 成り代わり系の小説あんまり見かけないので読んでてすごく面白かったです！更新楽しみにしてます！ (2021年7月21日 17時) (レス) id: 9a4a29443d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：めぐりずむ | 作成日時：2021年7月16日 10時
