その�� ページ38
「銀さん、やっぱり無理がありますって…」
見かねて新八君が止めにきてくれた。
君も大変だね…なんて同情してしまう。
「諦めたらそこで試合終了だろーが！！」
「『いや諦めろよ大人！！』」
新八君と声を揃えて叫ぶ。
だいたい何の試合だよ…
まあ、神楽ちゃんや新八君は良いとしても…って神楽ちゃんどこ行った？
慌てて周りを探すと、神楽ちゃんは何やら口をもごもご動かしながらコチラに歩いて来ていた。
サクサクサクサク…というスナック菓子を咀嚼する音と共に。
「神楽ちゃんんん！？」
何か既に食べてるんですけど！？と、新八君が叫ぶ。
「サクサク…あっちにいるガキ共からサクサクサク…「可哀想だから分けてやるよ」ってサクサク…んまい棒もらったアル」
そう言って神楽ちゃんは、手に持っている袋を掲げた。
中には色んな味のんまい棒が入っている。
うんうん。神楽ちゃん可愛いからなぁ…食べながら喋るのはお行儀悪いけど…なんて思っていたら、
「いや施し受けてんじゃねーか！！」
公園の隅っこにいる長谷川さんと一緒だよソレ！？
と、新八君が更に叫んだ。
『えええ新八君そっち！？』
思わず私もツッコミを入れてしまう。
「え、呼んだ？」
更に、グラサンのオッサンが近くのベンチの後ろから現れた。
『いやアンタは呼んでないから！！ダンボールハウスにお帰りください！！』
マダオまで出てくるとややこしいんじゃ！！
慌ててそう叫ぶと、
突然ぬっと現れたマダオ……長谷川さんは、羨ましそうにこちらを振り返りながら、のそのそと公園の隅に作られたダンボールハウスに帰って行った。
いやマジでそこに住んでたんかい！！
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作者名：めぐりずむ | 作成日時：2021年10月10日 2時
