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私【キョン、お水ー‥】


ふと意識が戻ると有り得ない程に喉が渇いてた

小さく呟いてみても返事はない


え‥まさか、捨ててった!?

キョンが誘ったくせに‥人でなし!キョンのバカ!!


割れそうにズキズキ痛む頭を抱え声にならない苛立ちを心で叫ぶ

気持ち悪さを堪えて顔を上げたら視線の先にはジホの横顔


私【え‥】

ジコ【飲み過ぎだろ?】


いつものウンザリ顔でグラスに水を注いだジホは

正面を見たままスッとグラスを差し出した


私【あ‥りが、と‥】


グラスの水を一気に飲み干し気合いを入れる様に小さく深呼吸して口を開く


私【あ‥の、キョン‥】

ジコ【帰った】

私【へ?】

ジコ【俺に押しつけて、帰った】


な、何で?

何で帰る訳!?

ていうか、ジホ呼んでいなくなるとか‥何してくれてんだょ(泣)


私【そっ‥か‥】

ジコ【ん】


ジホの短い返事に会話が途切れて沈黙に包まれる


ジホと一緒でこんなに居心地が悪いのは初めてだ

酔いのせいか、寝起きのせいか

はたまた何とも言えないこの緊張感のせいなのか

とにかく喉が渇いて仕方がない


私【‥おかわり】


オズオズとグラスをジホに差し出すとコクコクと水が注がれる



ジコ【ブハッ(笑)どんだけ飲むんだよ】



何度かそれを繰り返してたらジホが突然吹き出した

ビックリして隣に座るジホに目をむけたら


ジコ【腹、壊すぞ?(笑)】


柔らかい笑顔と目が合って胸がドクンと大きく波打った


ジホ【それで終わりにしとけ】


ジホの綺麗な手に頭を撫でられたら、トクンットクンッて胸の鼓動が早くなる


私【だ、大丈夫だょ‥子供じゃないんだから‥】


モゴモゴ言葉を苦らせながらグラスの水を慌てて飲み干す


ジホ【なぁー‥仲直り、しねぇ?】

私【え?】

ジホ【‥俺とお前なのに、空気重すぎんだろ?(苦笑)】

私【そ、れは‥ジホが突然あんな‥】

ジホ【好きっつったから?】


失敗したと思った瞬間、ジホに《好き》と言われて焦り目が泳ぐ

肯定も否定も出来ずにいると


ジホ【それはー‥仕方なくね?】


ジホが軽はずみに言ったんじゃないのはわかってる

けど《仕方ない》…そんな言葉で済ませるのはムリだ


ジホ【もう気持ち欺し切れなかった‥勘弁してよ】


困った顔のジホの長くて綺麗な指が頬にふれる

指先の暖かい温もりに泣きたくなった

93→←91 ※ジホ



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作者名:gyuuuu x他1人 | 作成日時:2015年4月3日 21時

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