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私【ｼﾞﾎにー、女だって言われた‥嬉しかった】

すっかり酔いが回ったAはﾍﾗっと笑う

ｷｮﾝ【なのに悪足掻き？】

だったら悪足掻きなんてせず受け入れるだけでいい

ｿｳﾙﾒｲﾄが彼氏‥かなり理想的

私【‥ｳｼﾞﾎに見られちゃったんだー】

ｱﾙｺｰﾙに支配されたAは時折ﾕﾗﾘとする頭を支えるみたいにﾃｰﾌﾞﾙに肘をつき手に顎を乗せた

ｷｮﾝ【‥何を？】

ﾄﾛﾝとした瞳でAは少し前のｼﾞﾎと同じ事を話し出した

私【中学の頃ー、ｼﾞﾎに送って貰ったらさ？ｵﾝﾏが男とｷｽしてて‥】

知ってる‥とも言えず、大人しく耳を傾ける

私【恥ずかしいやら、気持ち悪いやら、吐き気はするわ‥しかもｼﾞﾎまでいるし？‥ﾀｲﾐﾝｸﾞ悪すぎてもう最悪だよね(苦笑)】

自分をあざ笑うみたいに薄ら笑いを浮かべるAが痛々しかった

見た目がどんなに大人びてたって中学生は子供

親の寂しさなんて理解出来ない

私【自分があの人の子供だと思ったら、物凄く汚い気がしてさー‥ｼﾞﾎもそう思ってんのかなーって‥したら、何かさ？申し訳なくなっちゃって‥私がｼﾞﾎを好きとか】

時々、現実は残酷だと思う

相手を思いやっての行動も誤解を招く

ｷｮﾝ【‥ｼﾞﾎが一緒でよかったじゃん】

私【‥どういう意味？】

今も勘違いしたAは鋭い視線を俺に向ける

その言葉にはこれっぽっちも悪意なんてないのに‥

ｷｮﾝ【最悪でも、ｼﾞﾎのお陰で一人で見なくてすんだんだろ？なら、ｼﾞﾎが一緒でよかったじゃん】

俺はAの頭に手を置き、ﾎﾟﾝﾎﾟﾝ軽く撫でた

一人じゃ受け止めきれなくても

隣に誰かが居てくれるだけで救われる事もある

私【流石ﾌﾟﾗｽ思考の男はどこまでも前向き‥(笑)】

Aはまるでかからかうようにｸｽｸｽ笑った

ｷｮﾝ【つぅかさ、思春期の苦い思い出なんてとっくに時効だろ？】

私【苦い思い出‥(苦笑)】

ｷｮﾝ【大人のAはｳｼﾞﾎをどうすんの？】

頃合いを見計らって切り出した

私【‥どうしたらいいと思う？】

ｷｮﾝ【何？俺の言う通りにすんの(笑)】

からかい混じりで聞いたらAは困り顔

私【形‥変わっちゃうんだって】

ｷｮﾝ【‥形？】

Aの言わんとする事が全く掴めない

私【幼馴染みでも、ｿｳﾙﾒｲﾄでもない‥ｳ、ｼﾞﾎ‥】

途切れ途切れの言葉を言い終わらないまま

ﾃｰﾌﾞﾙに体を預けて目を閉じたAは深い眠りに落ちた