81 ※ｼﾞｺ ページ31
腹の辺りに感じる心地いい重みと温かさ
女と二人きりでこの状況
他では成立しなくても、俺とAなら当たり前
俺だからこその距離に嬉しさを感じる一方で
近付きすぎて踏み込めないこの距離を忌々しくも思う
酔いも相まって徐々に下降してく気持ちを持ち直せずにいたら
気付けば昔話はいつの間にか俺の女遍歴になってて
話題を変えようとした矢先、Aが女扱いされないとかぼやきだした
実を言えばAは結構モテる
学生の頃はｷｮﾝと二人、素知らぬふりでがっちりガードしてた
それは今も変わらず、紹介しろなんて諸々の全ては握り潰してる
幼馴染みの俺に出来る唯一の抵抗
自分のﾓﾉにならなくても、他のﾔﾂにおいそれとやれる程お人好しでもない
一人そんな事を思ってたら上目遣いのAと目が合った
長い間膨らむ気持ちを上手く誤魔化してきたのに
いつから自分を騙せなくなったのか‥
私【‥どうせｼﾞﾎには女に見えないでしょうけど！！】
上の空だった俺から仏頂面のAはﾌﾝｯって感じで顔を背けた
Aはこうして俺といても、気づけば誰かのﾓﾝになってる
その度に胸の隅っこが傷ついてﾁｸﾁｸ痛い
気づかないﾌﾘでやり過ごしても、忘れた頃に次の痛みに襲われる
Aの隣にいる限り、それはｴﾝﾄﾞﾚｽで終わりがない
いい加減、勘弁してくんねーかな‥
ｼﾞｺ【‥女じゃん】
Aの小さな手を握ったら、口が勝手に動いてた
ｼﾞｺ【初めてあった時からAは女じゃん‥俺にとっては女以外の何者でもない】
こんな形で伝える気なんてなかったのに
制御しきれなくなった心は予想通り、最悪なﾀｲﾐﾝｸﾞで暴発
俺の言葉で瞬時に目を伏せたAは押し黙って息苦しい沈黙に陥った
口にした言葉はなかった事には出来ない
言い訳した所で元に戻る訳でもない
‥なら、後悔したって始まらない
掴まれてる手を小さく引き抜こうとするAに気づいてもう一度ｷﾞｭｯと握り直す
きっと俺は初めから間違えてた
幼馴染もｿｳﾙﾒｲﾄも‥今までの俺らは間違いだらけ
俺は男でAは女
こんな簡単な現実を見ないふりして逃げたりするからややこしくなる
《間違ったらやり直せばいい》
小さい頃、よくｵﾝﾏに言われた
全部やり直せばいい
それがどんなに難しくて無謀だろうと
‥出来ないと決まってる訳じゃない
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作者名：gyuuuu x他1人 | 作成日時：2015年4月3日 21時
